福島第一原発事故
2011/09/20 - 14:37

東大赤門、経産省脇で高い数値〜空間放射線の独自調査

OurPlanet-TVでは、9月12日~15日の3日間、東大、国会、NHKなど、東京都心8カ所で放射能測定を行ったところ、東大赤門前の地表で1時間0.838マイクロシーベルト、さらに、経産省脇の歩道の植え込みでは、地表で1時間1.152マイクロシーベルトという高い数値が計測された。
 
この調査は、視聴者から、経産省前の植え込みで高いの空間放射線を計測したとの報告を受け行ったもの。計測ポイントとしては、立法、行政、教育、放送の中心的な施設である東大、内閣府、首相官邸、国会議事堂、経済産業省、東京電力、電通、NHKの計8カ所の周辺敷地18か所で行った。計測器は、α線、β線、γ線、X線全てを検出できる米国産のRadalert100を使用。
地表と地表1メートルの高さで、1分間、3回の繰り返しによる平均値を算出する簡易測定を実施した。
 
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まず、全ての地点で際立って高かった場所の一つが、東大赤門前右側。地表で0.838μSv/h、1mで 0.259μSv/h を計測した。人々が通る石畳の通路はそれほど高くなかったが、そこからわずか2~3メートル離れると数値が跳ね上がる。なぜここだけ高線量なのかと周辺を見回すと、そこは赤門の屋根の傾斜からちょうど雨水が落ちるところであった。また泥、苔、砂利がたまり、特に掃除などをした形跡はなかった。
 
また、経産省北側の植え込みで、地表で1.152μSv/h 、1mで0.162μSv/h を計測した。地面が多少街路樹に向けて傾斜しており雨水を集めやすいこと、落ち葉が吹きだまっているために、放射性物質が溜まっている可能性がある。
 
その他、比較的高かったのが、東電前の街路樹の下、地表で0.436μSv/h、1mで0.176μSv/h、東電向かいの内幸町ホール玄関脇の植え込み、地表で0.305μSv/h、1mで0.200μSv/h、電通横の汐留めアネックスビル植込み、地表で0.608μSv/h、1mで0.176μSv/hなど。いずれも、ビルの脇から雨が落ちる場所や、掃除をすることが少ない植込みで高い放射線量を計測した。
 
原発事故から半年経つが、都心部でも、側溝、植え込みなど、放射性物質がたまりやすい場所が一定程度分布していることが明らかになった。これから冬場にかけて、枯葉、砂、ほこりが舞う可能性があり、官庁街なども含め、汚染の高い可能性の場所は、早期に除染する必要がある。また、落ち葉などを集める清掃業者には、防護対策が求められる。
 

>>東京大学(地表の数値)
 
>>国会議事堂、内閣府、総理大臣官邸(地表の数値)
 
>>経済産業省(地表の数値)
 
>>東京電力東京本店(地表の数値)
 
>>電通(地表の数値)
 
>>NHK(地表の数値)
 

※測定機器:Radalert100(α線、β線、γ線、X線を測定)
※測定方法:地表と地表1メートルの高さで、OurPlanet-TVスタッフによる簡易な測定を実施し、1分間、3回の繰り返しによる平均を測定値としています。
※単位はマイクロシーベルト/h

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