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【オピニオン】東電テレビ会議映像~全ての人に公開必須

投稿者: ourplanet 投稿日時: 火, 08/07/2012 - 17:06
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(動画は、映像を公開している視聴室や説明会などの様子)
 
東京電力は6日、福島第一原発事故後に行われたテレビ会議の映像を報道関係者に対し限定公開した。炉心損傷や炉心溶融の予測が刻々と報告される中、打つ手、打つ手がことごとくうまくいかず、また資材が届かない中で、じりじりと厳しい状況に追い込まれていく「F1(福島第一原発)」の様子が手に取るようにわかる重要な資料だ。期間限定で報道陣に公開するのではなく、全ての映像を広く世界に共有されるべきだろう。
 
今回、報道陣に公開したのは事故後の3月11日夕刻から15日にかけての150時間分だ。そのうち音声の入っている映像は50時間にすぎない。しかし、そのわずか2日と2時間の映像からでも、事故対応の厳しい状況が手に取るようにわかる。同時に、当時、把握している状況を即座に報道発表するのではなく、現場と本店の間で、常時、発表する内容のつじつまあわせや口裏合わせを行っており、その対策にかなりの時間を費やしていることもわかる。発表している内容がいかにいい加減に作られているのか。それを示す良い例が、14日の午前11時すぎ、3号機が爆発した直後の会話だ。

高橋フェロー「要はさ、1号機を3号機に変えただけでしょ。それで、水素爆発かどうかわから       ないけど、保安院が水素爆発と言っているから。もういいんじゃないの。
       水素爆発で。」
小森常務  「水蒸気とは前に言ったんでしたっけ?」
高橋フェロー「これは保安院がさっきテレビで水素爆発と言ってたけど。
       歩調を合わせた方がいいと思うよ」
本店職員  「それでは、水素爆発にだけ絞ってよろしいですか」
本店職員  「すでに官邸も水素爆発という言葉を使っているから、
       それにあわせたほうがいいんじゃないですか?」
清水社長  「はい。いいです。これでいいから。スピード勝負」
石崎部長  「格納容器の健全性が保たれているというくだりはいらないのですか?」
清水社長  「そうそう、それ」
小森常務  「負傷者は?」
本店職員  「まだ、情報が 集約できてません」

 
直前に、風向きが北東から南西に流れていることを官邸や福島県、関係市町村に連絡する必要があるとの話が出ているのだが、広報文にはその情報はまったく入っていない。水素爆発であるかどうかの検討をするまでもなく、面倒を避けるための広報を行う。その姿勢はあらゆる場面で一貫している。計画停電に関してもこんなくだりがある。

藤本副社長 「明日6時20分から計画停電をやるということについて、絶対に認めないと。
       官房長官、福山官房副長官。蓮舫受給対策大臣かな。その3人からですね、
       人工呼吸器、人工心肺、これを家庭で使っている人をお前は殺すことになる。       お前がそれを承知で計画停電をやるということは、俺は殺人罪をお前に対して
       問うと言われました。」

 
藤本副社長は官邸から、人工呼吸器を使っている家庭に対する保健所などからの対策が終了するまで、計画停電は認められないと強く通告されたと報告をした後、このように続けている。

藤本副社長 「明日の午前中は計画停電はしない。
       第1ブロック、第2ブロック(の計画停電を)やらないことは広報しない。
       これからプレスしたら混乱する」
      「社長室で、広報するのはやめようということにしたんだよ。」
本店職員  「やるということにしていたけど、需要が落っこちてきたから、結局やらずに
       済んだという形にするしかないよ」
本店職員  「事後的に言い訳というか、そういう言い方をするよ」

 
このあと、本店では、マスコミ対策用のQ&A作りの必要性が確認される。大きな過酷事故を起こし、日本全体、ひいては世界全体に大きな影響を与えた東京電力。しかし、テレビ会議の議論を聞いていると、自らが事故の当事者として社会に大きな責任を負っているとの反省や自責の念は、まったく感じられない。そして、今回、テレビ会議映像の公開を限定的にしている姿を見ても分かるととおり、情報公開に関する体質は、事故以降も変化がないことがわかる。
 
東京電力の依頼により、第三者の立場から限定的な公開の妥当性を確認した寺島秀昭弁護士は 「映像は公開を前提に録画されたものではなく、個人のプライバシーを守る必要がある」 と強調。また、限定的な公開が許される根拠として憲法13条をあげた。しかし、報道機関に公開されている映像は、個人が特定できる名前などは全て音声修正がほどこされており、このまま一般に公開したとしても、プライバシーが侵害される恐れはない。寺島弁護士があげた憲法13条の条文にはこうある。
 
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
 
今、多くの人が原発事故によって、生命をおびやかされ、また家族とともに故郷で暮らす基本的な権利が揺らいでいる。こうした事故の被害に照らせば、ビデオの公開はまさに「公共の福祉」に資することであり、たとえ、ビデオに映っている東電社員や作業員のプライバシーの権利の問題があったとしても、それを大きく上回ることであることは、間違いない。OurPlanetTVは、東京電力は、これらの映像の全てを全ての人に公開する責務があると考える。
 

 
上記に掲載している映像は、報道機関に提供されたすべて。
(1)1号機爆発 12日午後3時36分(2分5秒) 音声なし
(2)1号機海水注入 12日午後7時23分(3分10秒)音声なし
(3)3号機爆発 14日午前11時1分(4分41秒) 音声あり
(4)2号機SR弁による減圧操作 14日午後4時12分(12分分2秒) 音声なり
(5)退避関連<小森常務>14日午後7時28分(2分3秒) 音声あり
(6)退避関連<高橋フェロー> 14日午後7時54分(35秒)音声あり
(7)退避関連<清水社長/高橋フェロー>14日午後8時15分頃(4分37秒)音声あり
(8)菅総理訪問 15日午前5時36分(37分5秒) 音声なし
(9)2号機、4号機爆発 午前6時14分(22分5秒) 音声なし
 
東電配布資料
東電「TV会議録画映像」の録画内容
http://www.ourplanet-tv.org/files/120806-01.pdf
東電「TV会議録画映像」報道関係者への提供映像内容
http://www.ourplanet-tv.org/files/120806-02.pdf
 



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