福島第一原発事故
2013/05/21 - 18:21

「福島と同等の賠償を」宮城県住民ADR集団申し立て

東京電力福島第1原発事故の被害に対し、宮城県最南部に位置する丸森町筆甫(ひっぽ)地区の住民が21日、福島県内の住民と同水準の損害賠償を求めて、原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てた。福島県外での集団申し立ては初めてとなる。

今回、申立てを行ったのは、福島県の伊達市と相馬市に接する宮城県最南端の丸森町筆甫地区の272世帯698人。丸森町ではこれまで、精神的損害賠償として18歳以下の子どもと妊婦に28万円、大人に4万円が東電から支払われているが、福島県内の「自主的避難対象地域」の補償の金額と大きな差が生じている。このため、「自主的避難対象地域」の補償額(在住の子ども妊婦:52万円、避難した子ども妊婦:72万円、大人:12万円)との差額を請求した。


申立て後の記者会見で、弁護団長の尾谷恒治弁護士は、今回、筆甫地区の住民729人のうちの9割以上が申立てに参加したことに振れ、「ほとんどの人が現在の賠償に納得していない」として、住民の感情に即した賠償を行うよう求めた。

筆甫地区は福島第1原発から45~55キロ圏内で、「自主的避難対象地域」となっているいわき市や南相馬市よりも、放射線の数値は高い。筆甫地区振興連絡協議会の引地武男さんは「私たちは、福島県のみなさんがかぶっている線量と同じ線量をかぶっている。県という境で補償が異なるのは納得出来ない。線量という意味では、福島県内よりもむしろ高いところもある。福島県と同様の補償をもとめたい」と訴えた。

筆甫地区集団ADR申立てに対する和解案提示にあたっての弁護団声明
http://www.saflan.jp/opi/871

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