福島第一原発事故
2014/05/20 - 19:23

橋下市長、がれき説明会で「鼻血」に言及していた~市民団体が批判

雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載されている「美味しんぼ」の表現をめぐり、大阪市が発行元の小学館に抗議した問題で、大阪市内の市民団体が記者会見を開き、橋下氏の対応を批判。また、がれき焼却前の住民説明会で、橋下市長が「鼻血」について言及していたことも指摘した。

福島原発事故の影響を描いた「美味しんぼ」の5月12日号には、大阪でがれきを焼却した時期、周辺住民が鼻血、眼、のどや皮膚などで不調を訴える人がいたことが語られる場面がある。これに対し、大阪市は12日、発売元の小学館に抗議文を送り、訂正や表現の根拠を示すように求めるとともに、対応よっては法的措置も取る可能性を示していた。

これに対し、放射能の被害を低減する取り組みをしている「放射能防御プロジェクト」近畿のメンバーが大阪市庁舎で会見を開き、橋下市長を批判した。事務局長の木村多美子さんはまず、大阪の瓦礫焼却に関するこれまでの経緯を解説。2012年7月に同市此花区で開催された瓦礫焼却の説明会で、市民から「健康被害が出たらどうするのか」と質問された際、橋下市長が「鼻血が出ても、因果関係は証明できない」と話していたことを明らかにした上で、今回まんがで紹介された「大阪おかんの会」の健康調査データについても、申し入れや議会を通じて橋下市長に届けていたと説明。「今回の漫画で、今なぜあのように抗議し法的措置まで散らかせるのか奇異に感じる」と述べた。

同会の仲晃生弁護士も、法的措置をちらつかせることは、表現の自由の立場から委縮効果につながると批判。「行政として、自分が正しいというなら、自身のデータで反論すべきだ」と主張した。また、がれ焼却時にデータ収集を行った「大阪おかんの会」のメンバーが、バッシングや嫌がらせを心配して、会見に出席にできない事態になっていることについても懸念を表明した。

橋下市長は、市民の抗議について、「(「美味しんぼ」の一件で)被曝と鼻血は因果関係がないことがはっきりして良かった」などと主張する一方、「法的措置は取らない」とトーンダウンした。大阪市では昨年、此花区の施設で岩手県のがれき約1万5300トンを処理。説明会などで、反対する主婦などが逮捕される事態が起きていた。

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