福島第一原発事故
2014/12/25 - 08:46

5月に方針提示へ〜福島第一原発作業員の長期健康管理

厚生労働省は26日、東京電力福島第一原子力発電所の作業員の長期的な健康管理のあり方について検討する会議を開始した。緊急作業時の被曝限度100ミリシーベルトを超えた作業員の健康障害の発生が懸念されているなか、健康診断の内容の見直しや、線量管理のあり方について議論する。

座長は産業医科大学の森晃爾氏が務め、委員は放射線医学総合研究所の明石真言氏や大阪大学の祖父江友考氏、東京医療保健大学の伴信彦氏など7人がメンバー。祖父江委員は原爆被曝者や原発作業員の疫学調査について、伴委員からは作業員の緊急被ばくに関するICRP(国際放射線防護委員会)勧告などについて説明があった。

国は、福島第一原発事故により、緊急作業時の被曝限度を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトへ一時引き上げ、現在100ミリシーベルトを超えた作業員は174人にのぼり、そのうち6人は250ミリシーベルを超えている。

検討会は今後月に1度開催し、5月中に報告書をまとめる予定だ。

日時:12月26日(金) 14:00 ~ 16:00
場所:厚生労働省専用第12会議室(12階)
議題:東電福島第一原発緊急作業従事者に対する長期健康管理等のあり方について
その他
出席者:明石真言(独立行政法人放射線医学総合研究所理事)
    児玉和紀(公益財団法人放射線影響研究所主席研究員)
    杉浦紳之(公益財団法人原子力安全研究協会放射線環境影響研究所長)
    祖父江友孝(大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座環境医学教授)
伴 信彦(東京医療保健大学東が丘看護学部教授)
前川和彦(東京大学名誉教授・認定特定非営利活動法人災害人道医療支援会理事長)
    道永麻里(公益社団法人日本医師会常任理事(産業保健))
    森 晃爾(産業医科大学産業生態科学研究所産業医実務研修センター長)
オブザーバー
    佐藤 暁(原子力規制委員会原子力規制庁 原子力規制部原子力規制企画課長)

開催要綱
1 趣旨
東京電力株式会社福島第一原子力発電所においては、多くの労働者が緊急作業に 従事しており、放射線への被ばくによる健康障害の発生が懸念されることから、こ れらの労働者に対し、離職後も含めた長期的な健康管理を行うことが必要となって いる。
また、緊急被ばく限度を一時的に引き上げていた間に、通常の5年間の被ばく限 度である100ミリシーベルトを超えた者がいるため、次期線量管理期間における線 量管理の方法について検討を行う必要がある。
このため、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の下に有識者の参集を求め、緊急 作業従事者の線量管理や健康管理等の在り方について検討するものである。

2 検討項目
(1)健康診断等、離職後も含めた長期的な健康管理の在り方
(2)緊急作業時の被ばく線量が 100 ミリシーベルトを超えた緊急作業従事者に係る次期線量管理期間以降(平成 28 年4月以降)の線量管理のあり方
(3)緊急作業従事期間中の健康管理の在り方
(4)その他

【配布資料】
資料1 東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会 開催要綱
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-01.pdf
資料2 専門家検討会の進め方(案)
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-02.pdf
資料3 東電福島第一原発作業員の被ばく線量管理の対応と現状
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-03.pdf
資料4−1、資料4−2
京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針
東京電力福島第一原子力発電所緊急作業従事者の長期的健康管理の実施状況について
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-04.pdf
資料5 福島県内における放射線業務従事者等に対する健康診断の実施状況
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-05.pdf
資料6 東電福島第一原発緊急作業従事者に対する疫学的研究のあり方に関する専門家検討報告書概要
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-06.pdf
資料7 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の概要
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-07.pdf
資料8 東京電力福島第一原発作業員の甲状腺の調査等に関する研究 研究報告書概要
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-08.pdf
資料9−1 原爆被爆者疫学調査についての2011年~2014年に報告された主な論文
資料9−2 2011年以降に公表された主な放射線疫学研究文献
資料9−3 チェルノブイリ事故処理作業者
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-09.pdf
資料10  東京電力等に対する労働安全衛生法第66条第4項に基づく臨時健康診断の指示内容
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-10.pdf
資料11 過去の急性放射線障害の事例及び検査に関する医学的指針(前川委員提出資料)
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-11.pdf
資料12 チェルノブイリ事故での急性障害の概要
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-12.pdf
資料13 放射線による皮膚障害に関する文献調査
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-13.pdf
資料14 防災基本計画(抄)(平成26年11月 中央防災会議)
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-14.pdf
資料15 東電福島第一原発での被ばく限度の適用について
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-15.pdf
資料16 緊急作業に従事した労働者のその後の緊急作業以外の放射線業務による被ばく線量に係る指導について
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-16.pdf
資料17 作業者の緊急時被ばくに関する国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の主な記述
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-17.pdf
資料18 INTERNATIONAL COMMISSION RADIOLOGICAL PROTECTION Statement on Tissue Reaction
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-18.pdf
資料19 Radiation Protection and Safety of Radiation Souces International Basic Safety Standards(BBS), 2014
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-19.pdf
資料20 Responses to Questions about The Management of Workers Exceeding Dose Limits in Acccident Situation
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-20.pdf
資料21 核燃料物質等取扱業務特別教育規程(要旨)
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-21.pdf
資料22 平成二十三年東北地方太平洋沖地震に起因して生じた事態に対応するための電離放射
線障害防止規則の特例に関する省令を廃止する等の省令等の施行について
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-22.pdf
資料23 東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 当面の取組のロードマップ(ステップ2完了)
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-23.pdf
資料24 検討にあたっての論点
http://www.ourplanet-tv.org/files/141226-24.pdf

【厚労省】福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=235964

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