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支援対象地域「避難する状況にない」〜規制庁が独自見解

投稿者: ourplanet 投稿日時: 火, 07/21/2015 - 08:32
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「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針改定案の作成に際し、原子力規制庁が復興庁に対し、支援対象地域は「避難する必要のある状況ではない」とする見解を示していたことがわかった。規制庁の記者ブリーフィングの中で明らかにした。官僚組織である原子力規制庁が、規制委員会の会議などを経ず、独自に線量基準などに関わる見解を示すのは極めて異例。多くの原発被災者に影響する方針転換だけに、激しい反発を呼びそうだ。
 
問題となっているのは、復興庁が今月7月7日に示した「原子力子ども被災者・支援法」基本方針の改定案。支援対象地域は「避難する状況にない」と明記していることについて、復興庁の浜田副大臣は、17日に開催された住民向け説明会で、規制庁の見解が基だと説明。また翌18日には、復興庁法制班の佐藤紀明参事官が、原子力規制庁が作成したというペーパーを読み上げて、住民から批判を浴びていた。
 
原子力規制庁によると、復興庁が6月24日に原子力規制庁に対し、支援対象地域の状況について質問を送付。これに対し、規制庁の放射線対策・保障措置課が回答を作成。翌25日に復興庁に返答した。規制庁は、子ども被災者支援法の基本方針改定のために活用することは認識していたという。
 
規制庁は、「支援対象地域は、そもそも避難指示がかかっていない区域であり、現状のこの地域における空間線量率は、当然のごとく、上記の避難指示解除準備区域よりも低い」と記載。「支援対象地域の空間線量率や、個人線量計による測定結果等の科学的なデータから見ると、現在、避難する必要のある状況ではない。」と結んでいる。復興庁は近く、同文書のやり取りをホームページで公開する方針だ。
 
子ども被災者支援法は、年間20ミリシーベルトを下回るものの、「一定の基準以上」のある「支援対象地域」の住民を支援する法律で、避難をする人もしない人も、いずれの選択も尊重することが規定されている。一方、規制庁の見解は、年間20ミリシーベルトという避難基準以下は、「避難する状況にない」と断定しており、同法の趣旨に反しているだけでなく、原子力規制委員会に設置された「帰還のための安心安全検討チーム」の見解とも矛盾する。
 
2013年11月に示された「帰還のための安心安全検討チーム」の答申には、「年間20ミリシーベルトを下回ることが絶対要件」であるとした上で、「国は、個人の方々の選択を尊重しなければならない。国は避難している住民の個々の不安に応えるに際し、帰還を選択するかに否かに関わらず、これらの問題に向き合い、必要な措置について、総合的に検討していくことが必要である」と記載されている。
 
6月25日に原子力規制庁が示した見解

『原子力規制委員会においても、定期的な航空機モニタリング、福島第一原子力発電所から80km圏内を中心とした空間線量率や、土壌への放射性物質の沈着量の測定等を実施してきた。支援対象地域は、そもそも避難指示がかかっていない区域であり、現状のこの地域における空間線量率は、当然のごとく、上記の避難指示解除準備区域よりも低いことは以下のサイトに示している。

航空機モニタリングによる測定結果、福島第一原子力発電所から80km圏内を中心とした空間線量率や土壌への放射性物質の沈着量等の測定結果、福島県に配置した約4000基のモニタリングポスト含む全国のモニタリングポストの10分ごとの空間線量率の測定結果。

福島第一原子力発電所の事故から4年以上が経過した現在、これらの調査から得られた結果を見ると、多くの避難指示準備解除区域においても、空間線量率から積算される実効線量は、避難指示準備解除区域の基準となる20ミリシーベルトを大きく下回る状況である。加えて、福島県の複数の市町村が、個人線量計による測定結果を公表しており、それによると、一部の地域を除いて、支援対象地域の住民の大部分の年間個人被曝線量は、1ミリシーベルトを下回っている。このように、支援対象地域の空間線量率や、個人線量計による測定結果等の科学的なデータから見ると、現在、避難する必要のある状況ではない。』

 
子ども被災者支援法基本方針改定(案)概要
http://www.ourplanet-tv.org/files/m29515071001.pdf
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(改定案)
http://www.ourplanet-tv.org/files/s29515071001.pdf
参考データ  
http://www.ourplanet-tv.org/files/m29515071002.pdf
 
パブコメについて[平成27年7月10日~8月8日まで] 
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/20150710124454.html
 
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