福島第一原発事故
2015/10/01 - 17:35

米原子力艦R・レーガン、横須賀入港~住民ら海上で抗議

アメリカ海軍の原子力空母ロナルド・レーガンが1日、横須賀市のアメリカ海軍横須賀港に入港し、同基地に配備された。2008年から今年5月まで配備されていたジョージ・ワシントンの後継艦船。集団的自衛権行使を求めた安保関連法が30日に交付された直後の入港に、原子力空母の配備に反対する市民らが抗議行動を行った。

ロナルド・レーガンは2003年から就役している原子力空母で、加圧水型の原子炉を2基搭載している。2011年3月の東日本大震災の際には、他の7隻の艦船とともに、災害支援「トモダチ作戦」に従事した。一方、震災当時の乗組員が福島第一原発事故で影響を受けたとして、東京電力などを相手取り米国内で提訴している。

ロナルド・レーガンが入港したのは、午前8時半ごろ。原子力空母の配備に反対する「ヨコスカ平和船団」のメンバーら約20人が、3隻の船に乗り込み抗議行動を行った。船の操縦した市川平さんは、横須賀市在住で基地から5キロ圏内で暮らしている。「危険なものが生活の場に配備され強い憤りがある。観光として軍艦を見るのではなく、戦争をやるための武器として見て欲しい」と訴えた。

基地から約13キロの三浦市在住の渡邉梨花さんは、全長333メートルのロナルド・レーガンに身震いしたという。「人殺しの道具であると同時に、事故が起きれば、原発と同じくみんな被ばくしてしまう。人の命をないがしろにするもの」と不安をあらわにした。

ロナルド・レーガンが搭載している原子炉は、福島第一原子力発電所に近い規模の138万キロワットの熱出力とみられる。しかし、原子力発電所が受けるような、原子力規制委員会による規制は全く受けておらず、また事故発生時の対策もほとんどなされていない。

福島第一原発事故を受け、原子力規制委員会は、原子力災害指針を定め、原発で重大事故が起きた場合、半径5キロ圏内はただちに避難と規定。さらに30キロ圏内も「UPZ(緊急時防護措置準備区域)」と定められ、避難計画などを定めるよう変更された。しかし、原子力艦については、福島原発事故より以前に、国の中央防災会議が策定した「災害対策マニュアル」に基づき、毎時100マイクロシーベルトの放射線量を検知したら、半径1キロ圏内から避難すると定めているだけで、基準に大きな差が生じてる。

【YouTube】米原子力艦R・レーガン、横須賀入港~住民ら海上で抗議
https://www.youtube.com/watch?v=hNqeRXq7LmE
関連サイト
ヨコスカ平和船団
http://homepage1.nifty.com/heiwasendan/

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