福島第一原発事故
2011/04/11 - 22:39

グリーンピース調査~直売所野菜から基準値上回る放射線

国際的な環境NGO「グリーンピース」は11日、外国人特派員協会で記者会見を開き、独自の放射線調査の結果を発表した。同団体は、今回の調査結果を受け、政府に対し、高い放射線に汚染されている地域の住民へ避難指示を出すよう要請した。同団体が調査を行ったのは、今回で2回目。
 
グリンピースが今回調査を行ったのは、福島県内の土壌及び食品の汚染調査と空間線量モニタリング調査の3種。調査によると、野菜の直売所で購入した野菜から基準値を超える放射線を検出。また、福島県内の田畑の土壌からも、高い数値が検出されたという。
 

(グリーンピース第2回調査報告書より)
  
一方、空間線量では、県内261の地点で測定を行ったところ、20キロ圏外にある浪江町や飯館村で、ホットスポットと呼ばれるような非常に放射線量の高い地域があることが改めて確認された。また、人口の多い福島市や郡山市でも、高い値を計測。福島市内のある神社では4マイクロシーベルト/hが記録されたという。
 

(グリーンピース第2回調査報告書より)
   
京大のグループなどが行った調査などから、現在、拡散している放射線の多くは、半減期が30年のセシウム137や半減期が2年のセシウム134が占めていると見られ、今後、急速に減ることはない。このため、グルーンピースでは、福島市や郡山市を「特別管理地域」と指定して、汚染度の高い築を除染するなどの措置をとるよう求めている。
 
また、大人より放射線の影響を受けやすい子どもたちの健康被害が心配されることから校庭で、年間の積算線量が1ミリシーベルトを超えるような学校では休校などの措置を取るよう求めている。
 
今回の調査で来日した放射汚染の専門家・ヤン・ヴァンダ・プッタ氏は、「今回の調査によって、今後1〜2年は、放射線量が急激に下がることは想定できない。チェルノブイリでの移住の基準は年間の積算線量許容量が5ミリシーベルトで、1ミリシーベルトは移住できる権利があるとされていたことを考えると、それをまず参考にすべきだ。政府は中長期の影響を考慮sしなければならない」と話す。
 
現在、文部科学省が学童の放射線許容量を年間1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げる検討をしていることに対して、グリーンピース日本の事務局長・佐藤潤一さんは「放射線による障害を防止するために国は、放射線を扱う事業者に対して、3ヶ月で1.3ミリシーベルト以上の場所を「放射線管理区域」とするよう定めている。年間20ミリというのは、その4倍近くにあたり、子どもたちを、放射線マークのついた場所で遊ばせているようなもの。子どもを危険にさらすことであり、人体実験だ」と問題視する。
 
グリーンピースでは今後、水や魚介類などについても独自調査し、政府に対し情報提供を続けていきたいとしている。

グリーンピース調査報告書
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/Fukushima.pdf

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