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年1ミリ達成は数十年後〜避難解除に向け政府方針

投稿者: ourplanet 投稿日時: 火, 09/17/2013 - 02:30

帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム会合(前半)

 
帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム会合(後半)

 
福島第一原発事故に伴う避難解除に向け、原子力規制員会は17日、「帰還に向けた安全・安心対策検討チーム」の初会合を開催した。避難者の早期帰還を目指す政府方針を前提にした会合だったが、委員からは、「移住」をはじめ「個人の自己決定」を前提とすべきとする意見が相次ぎ、「帰還に向けた安全・安心対策検討チーム」という名称から問われることとなった。
 
この検討チームは、3月7日の復興推進会議会合と原子力災害対策本部会合の合同会議の場が
発端だ。根本復興大臣が12月を目標に「帰還に向けた線量ごとの防護措置を検討してほしい」と要請。これを受け、復興庁をはじめ、内閣府原子力被災者生活支援チーム、環境省、原子力規制庁の課長クラスが半年間、会議を重ね、帰還を促進するための検討を行ってきた。検討チームは、この検討内容に対し、科学的な見地から「お墨付きを与える」ことが期待されていた。
 
検討チームでは、まず、政府の線量に関する考え方を提示。内閣府原子力被災者支援チームの
田村厚雄参事官が、「100ミリ以下の被曝線量でのがんリスクは疫学的方法では直接的に明らかにすることは困難」であるなどと考え方を説明。国際的な公衆被曝の上限とされる年間1ミリシーベルトという数値は、あくまでも長期目標であるとして、個人線量計を配布し、健康への影響を抑えるとする考え方を示した。長期目標の「長期」とは、「数十年程度」だという。
 
また、放射線への不安を和らげる取組みとして、チェルノブイリ原発事故後にベラルーシで実施された「エートスプロジェクト」を紹介。住民と専門家がワーキンググループを作り不安を解消する手法を、日本でも取り入れるとしている。
 
これに対し、委員からは、「帰還に向けた議論をするまえに、帰還以外の考え方も示すべきだ」といった意見や「除染はいったいいつまでやれば、どこまで下がるのか。除染以外の生活再建策も提示すべき」などといった異論が相次ぎ、これまで積み上げた関係省庁のシナリオは入り口から崩れた。
 
更に福島県医師会の星北斗委員は、「郡山など避難区域以外で自主的に避難している人への
メッセージも出す必要がある」「福島第一原発で働いている作業員への健康的な検討が欠けている」と指摘。福島第一原発事故後、健康問題に関する本質的な議論の場がなかったせいか、幅広い議論となった。
 
避難解除に関しては、原子力規制委員会の前身にあたる原子力安全委員会が、2011年8月4日
政府に対し「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故における緊急防護措置の解除に関する考え方について」という文書を提出している。この文書と検討チームとの関係性について、規制委員会の森本英香次長は、会見で、今回の検討チームで安全委員会の「避難解除の考え方」を見直す可能性があると回答。安全委員会の「考え方」では、「防護措置の最適化のための 現存被ばく状況に適用されるバンドの 1~20mSv/年の下方の線量を選定することとなる。」とした上で、「放射線防護措置の計画立案は、住民の生活や産業活動等の支援に関連した総合的な対応の一環として行われるべきである。」と提言していた。
 
委員は以下のとおり
(担当委員)
中村 佳代子(原子力規制委員会委員)
(外部専門家)
明石真言(独立行政法人放射線医学総合研究所理事)
春日文子(国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長、日本学術会議副会長)
丹羽太貫(福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター国際連携部門特命教授)
星北斗(公益財団法人星総合病院理事長、福島県医師会常任理事)
森口祐一(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授)
 
(原子力規制庁)
森本英香(次長)
小川壮(放射線対策・保障措置課長)
石川直子(放射線対策・保障措置課企画官)
室石泰弘(監視情報課長)
 
関連資料
第20回 原子力規制委員会配布資料
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0020_06.pdf
 
関連動画
避難解除に向け、規制委が「安心安全対策チーム」設置
www.ourplanet-tv.org/?q=node/1636
 

ttp://www.kantei.go.jp/jp/singi/genshiryoku/dai18/18_10_gensai.pdf

今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について
2011年7月19日 原子力安全委員会
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001-7.pdf
 



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