TOP

警察「特定秘密」知らずに捜査?〜秘密保全法、矛盾だらけ

投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 10/23/2013 - 01:56


 
政府が今国会での成立を目指す「特定秘密保護法案」をめぐり24日、法案に反対する超党派の議員と市民が集まり、政府の考え方を確認する交渉が行われた。明日25日にも、閣議決定が行われるとの報道があるにも関わらず、政府側の見解にはあいまいな点が多く、秘密保全法の適用対象となる「特定秘密」を明かさないままに、現場の警察官がどのように捜査するのかが未だに固まっていないなど、法の運用が極めて不透明なことが、改めて浮き彫りとなった。
 
今回で、2回目となる議員と政府との交渉には、朝9時半からのスタートにも関わらず、市民ら約200人が参加。対する政府からは、内閣官房、防衛省、外務省、警察庁、総務省の担当者が出席した。
 
「特定秘密」は、世論とは関係なく、全て行政が指定
同法案は、2010年12月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、海上保安庁が衝突時に撮影したビデオがインターネットに流出したことをきっかけに、法案化が進められた。この立法経緯に関連し、社民党の福島瑞穂議員が「尖閣のビデオは秘密だったのか?」と質問したところ、内閣官房の早川参事官は「一概には言えない」としながらも、「ネット社会のなかで、行政が保護すべき情報が漏洩すると、取り返しのつかない事態になる。保護すべきものは保護すべき」と説明した。
 
また、みんなの党の山田太郎議員が「特定秘密」について、「世論の90%が「秘密にすべきではない」と認識しても、政府の判断で特定秘密になりえるのか?」と質問すると、内閣官房の内閣情報調査室 早川智之参事官は「世論によって秘密か否かは決定されない。世論ではなく、行政側が厳格に判断する」と回答。「特定秘密」にしているされる事項は、全て行政の判断に委ねられることを、改めて強調した。
 
原発関連も「特定秘密」へ
議員らは、「核物質保護に関する情報」「沖縄返還協定時に日米密約」「原発本体情報、使用済み核燃料の情報」「プルトニウムの輸送経路に関する情報」「尖閣沖漁船衝突事件のビデオ」「オスプレイ飛行に関し、滋賀県と国が協議した際の滋賀県作成の議事録」など、具体的な事案について、「特定秘密」に特定される可能性があるかどうか、「秘密」の範囲について質問したところ、政府側は「核物質や原発関係施設の警備に関する情報であれば、テロ活動防止に関する事項のため秘密保護にする可能性もありうる」と回答。原発施設の警備や核物質の貯蔵施設の警備に関するものも、「特定秘密」となりうることが明らかとなった。
 
警察は「特定秘密」を知らないまま捜査することに!?
何が「特定秘密」なのかが明らかにされない同法案。もし、法に違反して捜査する場合、どういったことが怒るのか?山田議員は「警察庁は捜査機関はどんな基準で進めてゆくのか?」と質問した。これに対し、警察庁警備局警備企画課の村田隆課長は「他の省庁が秘密にしてる情報何か、警察はわからない。」と回答。山田議員が「特定秘密にあたるかわからない段階で捜査を始めて、後から「特定秘密」の未遂や教唆を確定していくのはおかしい。担当員は、特定秘密を事前に知らされた上で、捜査を進めていくのか?」と更に追及すると、村田氏は「警察としては、どれが特定秘密にあたるのかすらわかりません」と説明した。これに対し、内閣官房の早川参事官は「捜査を遂行する中で、これはどうも特定秘密らしいということであれば、捜査機関と行政機関の間で照会が行われ、特定秘密の提供が行われる仕組みを構築する予定です」と回答。25日にも閣議決定といわれながらも、法案の運用に極めて不明確な部分が多数、残されていることが浮かび上がった。
 
同法案には、違反を犯す前の段階で、共謀、教唆、煽動したと判断されれば、処罰される内容となっている。政府交渉を終えた福島瑞穂議員は、「警察が捜査に入る段階で、警察官にも当事者にも、市民にも何が秘密が分からない。チェックすることもできない。官僚、政府のための情報コントロールで、明日閣議決定するとしたらとんでもない」と話した。
 
今回の交渉で、特定秘密の指定は情報ごとに行われ、「特定秘密」が記録された文書一覧表が情報公開請求された場合は、公開法に基づいて検討する」ことが示された。また、秘密指定や期限延長、廃棄について適正に行われているかについては、第三者によるチェックは行われず、行政期間が行うという。特定秘密の運用基準については、専門家に協力してもらって統一した基準を決めるとしたが、その内容が公開されるかについては明らかにされなかった。

秘密保護法を考える超党派の議員と市民による第2回省庁交渉
日時:10月24日(木)9時30分~11時
場所:参議院議員会館講堂
出席省庁:内閣府、防衛省、外務省、警察庁、総務省
呼びかけ人:近藤昭一(衆)、江崎孝(参)、川田龍平(参)、山田太郎(参)、真山勇一(参)、赤嶺政賢(衆)、仁比聡平(参)、吉良よし子(参)、村上史好(衆)、主濱了(参)、小宮山泰子(衆)、照屋寛徳(衆)、福島みずほ(参)、鈴木貴子(衆)、糸数慶子(参)、山本太郎(参)
 
関連動画
2013年10月21日
秘密の指定・廃棄・更新「公表しない」~秘密保護法
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1659
2013年10月22日
「秘密保護法案にNO!」市民の抗議相次ぐ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1660
 



【OurPlanetTV番組制作支援のお願い】
この番組は会員のみなさまからの会費や、視聴者のみなさまからの寄付・カンパを基金に制作しています。より多様な視点から情報発信ができるよう、ぜひ制作費のご支援をお願いいたします。詳しくはこちらをご覧ください。