2014/03/19 - 18:28

住宅支援の継続も求め〜原発避難者が都に要望

東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県から東京都へ避難している被災者らが19日、来年度以降も住宅支援を継続するよう、都に要望した。対応した都の担当者は、都独自では決められず、国と福島県に意向を確認するとしている。
 
今回、申し入れを行ったのは、福島県から東京都へ避難している被災者でつくる「キビタキの会」のメンバー5人。避難者支援課の猪口太一課長と面会し、住宅支援の継続を求めた。福島県いわき市から避難してきた鴨下祐也さんは「小学生の息子は1年間に3回転校した。高校を出るまでは住居の安定を確保してもらいたい」と訴えた。
 
「キビタキの会」は、都が今年2月に実施したアンケート調査の内容に不安を抱いた避難者らが結成した。都のアンケートは、被災者と家族の職業や収入、現在の避難状況などに加え、今後の生活について詳細な設問がある一方、今後の住居については、「元の自宅に戻る」「自分で住宅を確保」などの選択肢しかなく、現在の「借上げ住宅に住み続ける」ことが想定されていなかったため、不安になって集まったのがきっかけだ。
 
川内村から避難し武蔵野市で暮らす川井弘子さんは「村は帰ってこいと言うが放射線量が高くて帰れません。部屋の中でもまだ年間で5ミリシーベルトある」と涙ながらに話した。また夫の宣捷さんも「長い期間住めるように東京都にお願いしたい」と訴えた。
 
現在、福島からの東京に避難している人の数は2,570世帯6,577人と、新潟県や山形県を抜いて全国最多となっている。現在、被災者は、災害救助法により、国の支援によって無償でアパートなどを借りる「借上げ住宅」で暮らしている人が多い。しかし、この制度が適用されるのは来年3月までとされている。
 
避難者らと面会した猪口課長は、OurPlanetTVの取材に対して「アンケートの設問についてはお詫びをした。」とした上で、「福島県は県外避難者が戻ってくるようがんばっている。非常に複雑な問題だが、国が住宅支援を打ち切れば、負担は受け入れ自治体にくる。4月中には、アンケート結果を国と福島県に見せて、対応を考えていきたい」と話した。
 
【YouTube版】
https://www.youtube.com/watch?v=1OSBg8v-9Fw
 

 

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