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床に黒い塊〜プルトニウム飛散の可能性【大洗事故】

投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 06/09/2017 - 13:26

床に飛散した黒い塊(6月7日撮影 提供JAEA)画像をクリックすると拡大します。
 
日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗研究開発センター(茨城県大洗町)の被曝事故で、JAEAは9日、事故の起きた108号室の床に、黒い塊複数映っている写真を公開した。プルトニウムやウランが飛散した可能性があるという。また、事故当時の5人の職員の立ち位置も公開。作業を行っていた容器が置かれていた作業台の近くの床からは、事故翌日の6月7日夕方のデータで、1センチ平方メートルあたり55ベクレルのα線と3.1ベクレルのβ線が検出されている。
 

(図1)JAEAが公開した資料をもとに、OurPlanetTVが作成
 
事故は、6月6日午前11時15分頃に発生した。事故が起きた108号室の室内には、JAEAの50代と20代の職員2人のほか、40代と30代の下請け会社2人、さらに30代の派遣社員の計5人が作業に従事していた。50代の職員が放射性物質の入った貯蔵容器を点検していたところ、樹脂製の袋が破裂。11時48分に施設管理者に連絡が入り、5人の全てに放射能汚染の可能性が確認されたという。当時の状況については、十分な聞き取りが行われておらず、まだ詳細はわかっていない。床には、作業時にゴム手袋の下につけている綿製の手袋が2つ落ちており、現場で既になった可能性もある。
 
 
フード内にある貯蔵容器の中の袋が破裂した(6月7日撮影 提供JAEA)
 
5人の汚染を受け、11時48分頃、作業を実施していた燃料研究棟(PFRF)に現場指揮本部と設置。次いで、12時に、大洗現地対策本部が設置された。その後1時間、どのような対応を実施していたか、詳細は分かっていない。
 
13時5分に108号室の非常口すき間に目張りを実施。13時15分に、「グルーンハウス」と呼ばれる、放射性物質を外に持ち出さないための設備の設置を開始した。14時29分に108号質の「グリーンハウス」が完成し、事故発生から3時間15分後の14時30分、作業員を開始したという。
 

108号室入り口に設置された「グリーンハウス」の様子(6月7日撮影 提供JAEA)
 
汚染検査の結果、汚染の少ない作業員から順次、部屋から「グリーンハウス」に移り、着衣を脱いで、除染を実施。それぞれシャワーを浴び、16時27分までの全ての作業員が108号室を退出。この際、鼻腔内の汚染検査を実施し、3人からそれぞれ24ベクレル、13ベクレル、3ベクレルのα線が検出された。(図1参照)
 

作業員が使用していた反面マスク(左)燃料研究棟108号室付近(右)(提供JAEA)
 
18時52分までに除染が完了。19時5分に東海村の核燃料サイクル工学研究所に移動し、鼻腔内の汚染が最も高かった50代職員から順に肺モニターの計測を開始。50代の職員から、2万2000ベクレルのプルトニウムと220ベクレルのアメリシウムを検出した。(図1参照)これを受け、作業員にキレート剤の投与を開始したという。
 
今回、事故が起きたのは、JAEA大洗研究開発センターの燃料研究棟(PFRF)で、プルトニウムと濃縮ウラン貯蔵容の点検作業をしていた。JAEAには今回の点検対象となっている放射性物質の容器が計80個あり、今年2月に点検作業を開始してから6月5日までに計31個の容器の点検を終えていた。しかし、6月5日、残さなど雑多な放射性物質が含まれる容器を点検しようとして、梱包されていたプリエチレンの袋が破裂した。
 

破裂したのと同形のポリエチレンの袋(6月7日撮影 提供JAEA)
 
容器に含まれていたプルトニウムとウランの量は約300グラム程度。同位体比については公開できないという。どのような物質により、袋が破裂に至ったかは今後、調査をする。同研究棟には、あと48個の貯蔵容器があり、そのうち20個が、6月6日に袋が破裂したものと同じカテゴリーとして分類されており、雑多な放射性物質が含まれているという。
 

108号室の室内。室内には監視モニターが設置されている(右)(提供JAEA)
 

 

 

108号室の室内と床に飛散している黒い塊(6月7日撮影 提供JAEA)
 
事故翌日撮影された写真には、床に黒い塊が複数映っており、これがどのような物質か、今後、調べるという。作業員5人は現在、放射線医学総合研究所(放医研)に移り、キレート剤による治療と肺モニタ等の実施している。9日の段階で放医研での1回目の肺モニタが終了しているが、プルトニウムのピークは検出されていないという。また、再除染の結果、作業員5人いずれからも、外部被曝が検出されたと、放医研から報告を受けているという。6月6日夜の計測した肺モニタの結果に、身体に付着した放射性物質が影響している可能性がある。
 
JAEAのプレスリリース(6月9日発表)
https://www.jaea.go.jp/02/press2017/p17060902/
 



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