政府が、子どもの放射能の安全基準を年間20ミリシーベルトに設定していることに関し、原子力資料情報室やグリーンピースジャパンなど6団体は22日、「子どもに20ミリシーベルトを強要するのは非人道的だとして、緊急声明を公表し、賛同署名を開始した。
問題となっているのは、文部科学省が4月19日に発表した「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」。子どもたちの通う学校の放射線許容量の目安を年間20ミリシーベルトとし、3.8ミリシーベルト/時を超える学校での屋外での活動を禁止する一方で、それ以下の学校では屋外活動も問題ないと福島県教育委員会などに通知した。
これに対し、6団体は、3.8マイクロシーベルト/時は、労働基準法で18歳未満の作業を禁止している「放射線管理区域」の約6倍に相当し、年20ミリシーベルトは、原発労働者が白血病を発症し労働認定を受けている線量に匹敵するとして、きわめて非人道的な決定だと強く非難している。
同団体は、文科省、原子力安全委員会において、どのような協議が行われたのか極めてあいまいであるとして、「年20ミリシーベルト」という基準の撤回とともに、同基準を安全とした専門家の氏名を公表することを政府に求める方針だ。署名の1次締め切りは4月25日。
緊急声明と署名サイト
http://e-shift.org/?p=166
<参考>
子どもの安全基準、根拠不透明~市民の追及で明らかに(OurPlanetTV)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1012
福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm