福島第一原発事故
2014/02/22 - 03:05

「甲状腺がん、放射線の影響か」国際会議で議論はじまる

東京電力福島第一原発事故を受け、環境省と福島県立医科大学、経済協力開発機構原子力機関の3者は21日、東京品川に国内外の専門家を招き、「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」を開会した。冒頭のあいさつで、環境省の白石順一地球環境審議官は「(福島の)甲状腺がんは放射線の影響でないとされているが、その理解でいいのか。疑問に答える議論を期待している」と投げかけた。
 
3日間にわたるワークショップでは、世界保健機関(WHO)や国際がん研究機関(IRAC)、アメリカの国立がん研究所、ウクライナの国立医学アカデミー、ロシアの医学放射線研究所から、チェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの知見などを持った専門家が集まる。
 
主な議論のテーマは、(1)放射線と甲状腺がん(2)福島県被災住民の被ばく線量推計(3)甲状腺超音波検査と甲状腺がん(4)甲状腺がんのリスク評価(5)原発事故後の放射線誘発による小児甲状腺がんに関する知見(6)ステークホルダーの関与という6つ。最終日に、ワークショップの結果の要約、プレスカンファレンスが行われる。
 
冒頭の挨拶にたった環境省の白石審議官は、福島原発事故後に実施している福島県民健康管理調査の結果で、甲状腺がんと確定した子どもが33人にのぼったことにふれ「放射線の影響ではないのか。健康調査に血液検査は必要か。福島県外での甲状腺検査は必要か。疑問に答える議論を期待している」と話した。
 
福島県立医科大学の阿部正文副学長は「福島でも放射線の影響を受けて甲状腺がんが発生するのか否か、発生するなら、いつ頃からどの程度予想されるか、多くの人が持っている疑問が解決され、福島の現状を正しく理解されることを希望している」と話した。
 
会合の様子は、インターネットで中継される他、ウェブサイトにアーカイブされ視聴することができる。
 
放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ
http://www.nsra.or.jp/safe/crpph2014/index-j.html
 

 


 

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