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国会記者会館屋上取材拒否裁判〜次回6月30日

投稿者: ourplanet 投稿日時: 日, 06/15/2014 - 03:26


 
OurPlanetTVは、去る2012年9月29日、国と国会記者会を相手どる損害賠償裁判を提訴しました。今月30日に代表理事 白石草の意見陳述があり、間もなく結審の方向です。この間の裁判の経過報告したいと思います。
 
提訴の背景
OurPlanetTVは2012年6月、官邸前の脱原発抗議行動が広がりを見せる中、「正しい報道ヘリの会」のプロジェクトに参加。空からの映像を届ける役割の一端を担いました。しかし、日本では、国に認められた報道ヘリ以外は中継をすることができません。携帯電話ですら使用を禁止されています。
 
そこで目につけたのが、官邸前にある国会記者会館でした。この屋上からは抗議行動を俯瞰しながら中継が可能です。そこで、7月の第1週目の金曜夕方、国会記者会館の屋上に向かおうとしましたが、記者クラブに所属していないとの理由で排除されました。理由を求めましたが、元共同共同通信記者で現在、記者会館の管理を任されている佐賀氏は「身分が違う」と驚くべき発言をしたのです。
 
その日は、残念ながら断念したものの、翌週、弁護士とともに国会記者会館へ正式に申し入れを実施。しかし、姿勢が変わらないため、7月下旬の大規模な抗議行動に向け、OurPlanetTVは撮影を求めて仮処分の申請を行いました。しかし、28日に東京高裁が却下。その後、衆議院事務局に対して撮影を求める行政処分の申請をしていましたが、「国会記者会が協力を拒否した」との理由で、再び却下。これを受けて、2012年9月29日に国および国会記者会に対し損害賠償を求めて提訴したのがこの裁判です。
 
国会記者会館とは何のか?
この裁判のひとつのポイントは、国と国会記者会は、この建物をどのような理由で貸与し、管理を任せているのかということにあります。国会記者会館が建設されたのは、1966年(昭和41年)と大変古いのですが、この間、両者の間で取り交わされた正式文書は以下の1枚だけです。
 

 
国会記者会はまったくの任意団体ですが、過去に国に対しどのような組織であるかを示したこともありませんし、国会記者会館をどのように利用しているかも説明したことがありません。記者会に加入していないメディアに有償で部屋を貸与していますが、そのような事実は今もなお、闇に包まれてます。
 
では屋上は一体誰が管理しているのか。この点について、裁判では、国と記者会の意見は食い違っています。国は国が管理していると主張していますが、一方、国会記者会は記者会が管理の責任があるというのです。
 
矛盾する国と記者会の説明
国の主張は、国家記者会館の屋上は危険であり、過去も現在も未来も、すべてのメディアに対し、立ち入りも取材活動も許していないといいます。これに対し、OurPlanetTVは、国会記者会に所属しているメディアは、これまでも頻繁に国会記者会館の屋上にあがり、官邸を撮影している事実があることを指摘していますが、国は「知らなかった」と一点張りをしています。
 
しかし、2012年8月に私たちが屋上での撮影を求めて行政処分を行った際、国は「自分たちはカギを持っていないから、記者会の協力がないと開けられない」と話していましたし、去年夏、記者会からマスターキーを返却してもらったと裁判所に説明しています。辻褄が合いません。
 
一方、国会記者会は屋上は自分たちが管理していると主張しています。実際、こちらの主張が正しいと思われます。しかし、国会記者会は、なぜ、本来公的な施設である国会記者会館を、自由に運営できるのでしょうか?
 
国会記者会は、実態が見えにくい組織です。この裁判を通して、徐々に組織のあり方が見えてきましたが、まったく情報公開をしていない団体です。テレビ、地方紙、新聞、通信社の4社の政治部長が、常任幹事を持ち回りで担当し、会館の運営を決めているようですが、そのルールも公表されていません。こうした組織に、国はなぜ、無償で自由に国の施設を使わせているのでしょうか。
 

(「屋上は立ち入り禁止」と主張する国〜しかし、今でも屋上から撮影は続いている)
 
国会記者会館は広報室なのか
国は、国会記者会館は他の「記者クラブ」と同様に「広報の拠点」であると主張しています。他の「記者クラブ」は過去に判例があり、「広報拠点」として無償で使用することを認められています。しかし、国会記者会館を他の「記者クラブ」と同じだと理解するのは、それにはムリがあります。
 
国会記者会館では、過去に記者会見も開催された実績もなく、またプレスリリースも配布されていません。衆議院のお知らせや掲示もありません。多くの記者が、国会資料をここで入手した経験はないと答えています。逆に、この部屋から中継をしたり、地方の系列局がこの部屋から映像素材の伝送を行うなど、支局のように使われています。そもそも、国の財産でありながら、記者会に加盟していないメディアに対し、高額な金額で部屋を貸し出しています。
 

(裁判の中で明らかになった、常任幹事の輪番表)
 
この裁判を通じて、国会記者会館と国会記者会について、様々なことが明らかになりました。私たちOurPlanetTVと弁護団は、国が「知る権利」に資するために、報道機関という専門家集団に拠点を提供することの意義については、否定していません。しかし、その専門家集団が、国の財産を管理しながら情報公開をせず、しかも理由なく、メンバー以外のメディアを排除することは許されないと主張しています。
 
裁判の勝敗は世論がカギに
ここ半年、総理大臣が政治記者と食事を重ねても、まったく問題にならない状況が続いています。メディアと政府の間には緊張感がない中、国が大手メディアにだけ便宜をはかり、無償で施設を使わせている現状は、この国のメディア状況の象徴ともいえます。こうした状況は放置しながら、「経済産業省前テント」などには多額の損害を訴えるスラップ裁判を起こしています。
 
この裁判は今年の2月から新しい裁判長となり、私たちが提出したビデオの証拠採用を不採用したり、また原告に対する尋問も採用しないなどの対応が続いています。弁護団の話では、こうした裁判は世論が大変重要だということです。次回の裁判で、原告の白石草が意見陳述を行います。ぜひ多くの方に傍聴者に来ていただけると幸いです。
 
次回の裁判期日
2014年6月30日(月)15時半〜
東京地方裁判所民事第6部法廷(地裁の721号室)
 
全裁判資料
OurPlanetTVの裁判提訴(訴状、証拠、証拠説明書 2012年9月29日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/120929提訴.zip
国および国会記者会の答弁書(2012年10日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/121011被告答弁書.zip
OurPlanetTVの準備書面(準備書面)→ぜひお読みください!
http://www.ourplanet-tv.org/files/121127原告準備書面(1).pdf
国会記者会の準備書面(準備書面、証拠 2012年12月20日)
規約が提出されず、管理人の佐賀年之氏の陳述
http://www.ourplanet-tv.org/files/121220被告記者会準備書面.zip
国の準備書面(準備書面、証拠、証拠説明書 2013年1月7日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/130107被告国準備書面.zip
OurPlanetTVが記者会と国の食い違いについて質問(求釈明書 2013年2月5日)
記者会と国の矛盾について追及
http://www.ourplanet-tv.org/files/130205原告求釈明.zip
国および記者会の反論(準備書面、国の証拠と証拠説明書 2013年3月18日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/130227被告準備書面.zip
OurPlanetTVが屋上利用状況について資料提出を求める
(文書提出命令ほか 2013年3月11日 国会記者会らの反論ほか)
http://www.ourplanet-tv.org/files/130311原告文書提出関連.zip
OurPlanetTVが国の矛盾を指摘した準備書面
(準備書面と証拠、証拠説明書 2013年9月30日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/130930原告準備書面.zip
国および記者会が反論(2013年11月11日)
「マスターキーは国に返しました」
http://www.ourplanet-tv.org/files/131111被告準備書面.zip
法廷でのDVD上映や原告の尋問をめぐる対立(2014年1月1日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/140121証拠採用賛否.zip
OurPlanetTVが国の嘘を追及(2014年1月21日)
http://www.ourplanet-tv.org/files/140121原告準備書面(4).zip
 
国会記者会館の屋上取材~仮処分申し立て却下(7月27日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1409
国会記者会館の屋上使用をめぐり、仮処分申し立て(7月17日)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1405
記者クラブ裁判・賛同署名の募集開始
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1410
 



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