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被ばくの認識めぐり、議論白熱~福島県知事選公開討論

投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 10/03/2014 - 12:15

福島県知事選(9日告示、26日投開票)の立候補予定者6人が2日、福島市で公開討論会を行い自らの政策を訴えた。前半は廃炉や除染、避難指示地域の復興などの6問に○×方式で回答し、後半は自由討論が行われた。県内の原発は全基即廃炉にすべきとの考えを全員が表明した一方で、子どもの政策などをめぐり議論が白熱した。
  
公開討論会を主催したのは日本青年会議所東北地区福島ブロック協議会、出席したのは 前副知事の内堀雅雄氏(50)、元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)、元双葉町長の井戸川克隆氏(68)、いわき市の牧師の五十嵐義隆氏(36)、会社役員の伊関明子氏(59)、会社役員の金子芳尚氏(58)ら6人。立候補予定者で接客業の高嶋努氏(51)は欠席した。
 
県政の評価めぐり、意見対立
 
討論会の冒頭、それぞれの候補予定者が出馬理由を説明するなかで、元双葉町長の井戸川氏は、原発事故に対して陳謝。「私たちは、原発と共生したのが大きな間違いでした。皆さんに辛い思いをさせる原因をつくったことに対してお詫び申し上げます」と頭を下げた。その上で「世界最大の事故なのに世界最小の扱いをされている」「今までのくやしさ、これからの福島県のあり方で、多くの皆さんが困らないようにうたっていきたい」と出馬を決意した背景を語った。
 
一方震災後、無料の相談電話「よりそいホットライン」を立ち上げた熊坂氏は、被災3県の被災者から相談を受けてきた経験から「福島が特に難しい状況になっている」と説明。「悩みが深刻で全く解決策が見出せないところに憤りを覚えた」と出馬の理由を語った。
 
最後に発言した内堀氏は「1年2年3年、時間が経つごとに、光はある程度見えてきている。光をもっと増やす思いを持ってこの場に臨んでいる」と県のこれまでの取り組みに自信をのぞかせた。
 

 

 
原発事故後、最初の選挙となったが、1700人収容の会場で来場者は約300人ほどと空席が目立った。しかし、後半の討論では内堀氏が発表した政策をめぐって討論が白熱した。
 
産業政策について内堀氏は、農林水産業のトップブランドの再構築、PRに力を入れた商工業、新たなロボット産業の構築などを力説。そして、原発災害のネガティブなイメージを払拭するために、「世界中から観光客を呼び、福島を見て、食べてもらう」と持論を展開すると、他の出席者からは内堀氏に質問が続出した。
 
これに対して、井戸川氏が県民の間に広がる放射線量の不安について言及し、「観光に力を入れるということは、被ばくさせて帰す失礼なこと。県独自の安全な対策は?」と質問すると、内堀氏は「避難地域以外のエリアは安全に住める環境。観光で訪れる方が問題がある状況とは思っていない」と井戸川氏との考えとは違うことを強調した。しかし、伊関氏からは、「おもてなしということであれば、なぜ県庁は除染されていないのか?」と疑問を投げかけられると、内堀氏は、「福島市は汚染されたエリアが広い。県と市と悩みながら相談して除染計画を作った。計画に合わせてやっている。」とあくまで計画通りであることを説明した。
 
子どもの政策めぐり議論白熱
 
もっとも白熱したのは子どもをめぐる問題だ。内堀氏は「子どもは福島の宝です。一丁目一番地政策だと考えています」と語り、学力向上や、現在の18歳以下の医療費無料の継続などを掲げた。しかし、井戸川氏が「高校生から部活動をやめると聞いた。疲れてついていけないということです。放射能とどう向き合うのか整理しないまま、放射能と向き合うのは非常に反対」と指摘すると、内堀氏は2012年までは、福島市でも校庭やプールが使えない状況が続いたと説明したが、「必死の取り組みで、今は運動会も各地で行われています」と反論した。
 
原発被害対策の総見直しを掲げる熊坂氏は「子どもの被災者支援法について、どのように考えるか?」と内堀氏へ質問。内堀氏は、「福島の子どもたちのことを真剣に思っていただいた大事な法案。一方で骨格が明らかでありません。本当の意味で子どもたちの役に立つ支援法になっていただくように県として努力していくべき。」と回答した。
 
伊関氏からは、「すごく優等生なお答え」「私は基本的人権が守られていないと思っている。なんでこんなに大変なのに、普通にのっとってやっているの?」と続けて指摘されると、内堀氏は「雄平知事も、震災直後国とものすごくやりあってました。私自身も国や東京電力との対峙の場面では、激烈にやってます。影ではしっかりやっております。」と前知事をフォローしながら、語気を強めた。
 
仮設住宅を回り支援活動をしてきた五十嵐氏は、「国が大きな予算を福島に投げ、黙らされてしまう政治ではなくて、県民が主体となる政治をしていく時だ」と訴える。白河市の金子氏は「脱原発は当然。政治は決断した時に痛みを伴う。痛みを伴う方々への政策を考えていかないといけない」と話した。
 

 

 
配布資料・政策提言シート
熊坂義裕
http://www.ourplanet-tv.org/files/141002-01.pdf
五十嵐義隆
http://www.ourplanet-tv.org/files/141002-02.pdf
井戸川克隆
http://www.ourplanet-tv.org/files/141002-03.pdf
内堀雅雄
http://www.ourplanet-tv.org/files/141002-04.pdf
金子芳尚
http://www.ourplanet-tv.org/files/141002-05.pdf
 
福島県知事選挙公開討論会
日時:2014年10月2日(木)19時~21時
場所:福島県文化センター 大ホール
出席者
五十嵐義隆、伊関明子、井戸川克隆、内堀雅雄、金子芳尚、熊坂義裕 
主催:公益社団法人日本青年会議所東北地区福島ブロック協議会
http://www.jaycee.or.jp/2014/tohoku/fukushima/
 



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