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甲状腺がんの手術費助成〜立法の議論はじまる

投稿者: ourplanet 投稿日時: 木, 05/29/2014 - 12:05
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「原発事故 子ども•被災者原発事故支援議員連盟(会長 荒井聰衆議院議員)」は29日総会を開き、甲状腺がん手術を受ける子どもの医療費を減免するための法案を提示した。市民や専門家のヒヤリングを重ね、次期国会に提出したい考えだ。また、健康診断に関する法案も検討したいとしている。
 
医療費減免の新法案を示す
低線量被曝の健康影響が解明されていないことを前提に2012年6月に議員立法として成立した「子ども被災者支援法」。その13条では、特に感受性の強い子どもを対象に、医療費の減免や健康調査を行うことを定めている。しかし、これらがまったく実現していないとして、議連は役員会を開催。医療費減免と健康診断に関する立法を検討した。
 
その結果、自民公明の与党勢力が圧倒的な力を持っている現状でも実現できるものとして、甲状腺がんに絞った医療費支援法案をまとめた。具体的には、2011年の段階で年間1ミリシーベルトを上回り、国が「汚染状況重点調査地域」と定めている自治体を対象に、甲状腺がんの手術を受けた子どもの手術費用を助成する。
 
福島原発事故当時、18歳未満だった子どもと胎児は、福島県と汚染状況重点調査地域をあわせて約122万人に上る。福島県内で甲状腺がん悪性と診断された子どもの数をもとに、1年間で122人ががんの手術を受けると試算。9日間入院し、甲状腺がん手術を受けた場合の医療費を88万円とし、医療保険制度などによって最終的に個人が負担する額が約8万と見て、初年度経費は1000万円がかかるとした。
 
健康調査へのニーズ、高まるばかり
総会では、このたたき台をもとに、被災者グループのヒヤリングを実施。福島県の郡山をはじめ、栃木の那須塩原、千葉や茨城などいわゆる東葛地域の住民らが、健康調査や医療費に関して、それぞれ考えを述べた。放射能からこどもを守ろう関東ネットの木本さゆりさんは、「東葛地域も那須も郡山の人も、すべて同じ被曝をしている共同体だ」と延べ、基本方針を見直して、きちんとした健康調査をするよう求めた。
 
また「那須塩原 放射能から子どもを守る会」の手塚真子さんは、6月に自主的な甲状腺検査を実施することにしたところ、申し込みが殺到していると説明。生産者や観光業が多い地域で、被曝影響について口にしにくい環境がありながらも、親が心配し続けている実情があると訴えた。
 
「健康影響なし」結論ありきに政府に批判
昨年10月に閣議決定された「子ども•被災者支援法」基本方針では、13条について、具体的な内容はいっさい示されず、環境省に専門家の委員会が設置されるのみとなった。しかし、同委員会メンバーの多くが、福島原発事故の検鏡影響はないとの立場をとっており、これまでの6回の会合では、被曝線量推計ばかりに時間を割き、健康調査や医療支援についての具体的な議論はまったく始まっていない。このため、健康調査を求める市民らは、結論ありきと強く批判している。
 
医療費支援については、福島復興特措法により、福島県内では18歳未満の子どもは医療費が減免されいるものの、他県ではそうした措置はない。また、福島県内で実施されている県民健康調査の甲状腺検診ではすでに89人の子どもが甲状腺がんの悪性または悪性の疑いと診断されているが、2次検査の段階で18歳を超えている約50人は、医療費減免を受けることができない。このため、一般の保健診療となり、手術費や医薬品はすべて自己負担となっている。
 
今回、法案のたたき台を示されなかった健康調査について、議連事務局長の川田龍平議員は、今後、法案を検討するとしている。なお健康調査に関する法案は、2011年に当時野党だった公明党が国会に法案を提出。しかし、審議されることなく廃案となった経緯がある。
 
議連役員会が示した法案(たたき台)
http://www.ourplanet-tv.org/files/140529houan.pdf
 
参考)
原発事故 確実な健康調査へ(公明新聞)
https://www.komei.or.jp/news/detail/20111209_6820
子ども被災者支援法(東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1789
 



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