オリンピック
2017/11/21 - 02:00

五輪選手村の都有地「9割引きの投売りだ」住民ら主張

 
東京五輪の選手村建設をめぐり、東京都が市場価格の10分の1で都有地を民間業者に売却したのは違法だとして、住民が東京都を訴えている裁判が17日、はじまった。
 
この裁判は、東京都が選手村整備を理由に、中央区晴海の都有地約13.4ヘクタール(東京ドーム約3つ分)を昨年12月、不動産大手11社に約129億6000万円で売却したことが不当だとして東京都を訴えたもの。原告らは都に対して舛添前知事、小池知事、不動産会社らに適正価格を請求するよう求めている。
 
原告の代理人の淵脇みどり弁護士は、周辺の地下から算出した適正な価格は1平方メートル100万円となり、本来であれば約1300億円にのぼると主張。1209億4626円も差額があると指摘した。また、東京都が売却金額の根拠としている「調査報告書」(日本不動産研究所が作成)について、「黒塗りのものしか開示されず、最低限の情報開示もしていない」と東京都の姿勢を批判した。
 
原告の中野幸則さんも「売却は不当に低い価格で違法であり官製談合だ」と批判。また、五輪後の高層マンション建設についても、「レガシーではない。公共性に欠けている」と批判した。
 
選手村整備をめぐっては、都が昨年5月に「晴海5丁目再開発事業」として公募を実施。大手不動産会社11社でつくる企業共同体(JV)1グループだけが応募し、7月にそのグループに決定。12月に土地売却契約を結んだ。10ヘクタールを超える巨大プロジェクトであるにも関わらず、公募期間がわずか11日間だった。東京都の計画では、東京五輪までに選手村や商業ビルを整備し、大会後には高層の分譲マンションを建設し販売されることになっている。
 
被告の東京都は、「言いがかりに過ぎない。違法性がないことを今後明らかにしていく」と反論し、全面的に争う姿勢を示した。
 


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