外国人の強制送還を容易にする「不法滞在者ゼロプラン」に抗議するデモ行進が16日、渋谷で行われ、「強制送還いますぐやめろ!」「家族はバラバラ 強制送還反対」と声を上げた。
この日のデモ行進に参加したのは、約150人ほど。「STOP! ゼロプラン」「日本の入管収容は国際法違反」などと書かれた横断幕や、「強制送還、命の保障なし」と書かれたプラカードを掲げ、50分にわたり町を練り歩いた。宮下パーク横の神宮通公園から、渋谷駅前に差しかかると、沿道では、通行人がスマートフォンで写真を撮るなどして、デモ行進に関心を寄せた。
クルド人難民を支援している周香織さんはデモ行進中にスピーチし、突然、強制送還されたクルド人家族の事例を紹介。ある日、入管に呼び出され両親が出頭したところ、そのまま入館施設に収容され、公園で友だちと遊びながら両親を待っていた子どもも入管職員に連行され、その日のうちに、家族3人とも強制送還されたという。周さんは「いったいこの人たちのどこが国民の安心・安全を脅かす存在なのか」と訴えた。
今年5月に法務省が掲げた「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」は、2030年末までに不法滞在者半減を目指す政策で、「入国管理の強化」「難民審査の厳格化」「出国・送還の円滑化」を掲げ、強制送還を強化するとしている。10月に入管庁が公表したゼロプラン実施状況によると、ゼロプランを開始した6月から8月までの3ヶ月間で、護送官を伴う強制送還は119人と、前年の同時期より2倍増えている。