関西電力大飯原発(福井県)の敷地内に活断層の存在が疑われている問題で4日、原子力規制委員会は外部専門家を交えた現地調査を受けた評価会合を開いた。しかし、専門家の間で意見が分かれたため、結論は7日に持ちこされた。7日の会合では、再び関電から意見を聞き、議論をする。
問題になっている破砕帯は、2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走る「F―6」。規制委はこの破砕帯が活断層かどうかを調べるために2日、島崎邦彦・委員長代理のほか、地層の専門家など4人が現地調査を実施した。
大飯原発再稼働前から、活断層の疑いを指摘してきた渡辺満久教授は、海側の断層について、対象の断層の上にある火山灰などの年代から分析し、12 ~13万年前に動いた活断層であると説明した。また、新しく見つかった断層について、「走向も傾斜も同じ。原発敷地内に活断層が通っていることが確実だ」と指摘。 一方、立命館大学の岡田篤正教授は「局所だけみて結論を先走るのは危険。地滑りの可能性 もある」と反論し、意見は割れた。
原子力規制委会の島崎委員長代理は、焦点となっている海側の断層について「おそらく断層の年代は1200年前のものがずれたもの」としたものの「「活断層」か「地滑り」か、今日判断することはできない」として、7日に再度会合を開いて検討をすることとなった。
国の耐震指針では、12万~13万年前以降に活動した痕跡がある断層を「活断層」と定義しており、こうした「活断層」の真上に重要施設を造ることを認めていない。F―6断層の真上には、原子炉冷却に必要な海水を取り込む設備があるため、この断層が活断層と認められれば、原子力規制委員会は、大飯原発3、4号機の停止を求めることになる。
大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合(配布資料)
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/ooi_hasaitai/20121104.html