安倍内閣が今月中にも閣議決定を目指すエネルギー基本計画に対するパブリックコメントの締め切りが迫っている。原発推進を明確に打ち出した同計画に反対する市民らは6日、経産省前の脱原発テント前(東京・千代田)で記者会見を行い、6日深夜の締め切りまでに一人でも多くの市民が声を寄せるよう訴えた。
同計画は約3年に1度見直されることになっており、昨年12月に経産省がまとめた案では、原発を「基盤となる重要なベース電源」と明記。民主党政権が打ち出した原発ゼロ政策を覆した。民主党時代に同計画についての議論を行った総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会では、24人中8人は脱原発の立場の委員を採用していたが、政権交代後は、脱原発派は15人中わずか2人。委員の選定は、茂木敏充経産相と新日鉄住金相談役の三村明夫氏が行い、三村氏は「原子力を放棄するという選択はすべきではない」と発言している。
国際環境NGO FoE Japanの吉田明子さんは、「『原発ゼロ』は12年に2ヶ月かけて集約した8万9000件もの国民の声を反映した結果だ。政権交代で変わるものではない」と強調。また、経産省に公聴会の有無を問い合わせたが5日夜に予定がないと告げられたと述べ、民主的でない策定プロセスについても批判した。
郡山市から駆けつけた人見やよいさんによれば、年末年始に福島駅や郡山駅前でパブコメについてのチラシを配ったが、ほとんどの人はパブコメを募集していることすら知らなかったという。「福島は放射能が飛び交う戦場。その最前線に住む私たちにこんな計画を押し付ける役人、政治家に人の上に立つ資格はない。職を辞すべきだ」語気を強め、涙ながらにパブリックコメントへの署名を呼びかけた。
パブリクコメントの応募締め切りは6日24時で、資源エネルギー庁のホームページに用意された意見提出ホームか、専用用紙をダウンロードしFAXで応募することが可能だ。
【パブリックコメント募集中】
新しい「エネルギー基本計画」策定について(締切1月6日)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=62021…
【YouTube】原発推進エネ計画の撤回求め会見〜パブコメ締め切り迫る
http://www.youtube.com/watch?v=A7SkIOJvJ6E