2015/06/18 - 15:09

国に対抗、最終処分場候補地の自治体が連帯広げる

東京電力福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場の候補地の1つである宮城県加美町の町議らが17日、栃木県の候補地の塩谷町を視察し、塩谷町の町議らと初めて意見交換を行った。町議同士の意見交換は、極めて異例。両町議は、候補地の白紙撤回と「放射性物質汚染対処特措法」の改正求めて、共同声明を出す方向で意見が一致した。

この日塩谷町を訪れたのは、加美町の全町議。加美町と塩谷町は、住民の座り込みなどにより、環境省の調査を止めているが、町単独の住民運動から、自治体を超えて連帯することがねらい。加美町の呼びかけで、塩谷町の町議や見形町長と意見交換を行った。

意見交換会では、加美町の三浦進町議が、「加美町と塩谷町で共同声明を出したらどうか」と提案。両町議の新たな取り組みとして、各県ごとに指定廃棄物を処分するとの枠組みを定めた「放射性物質汚染対処特措法」の改正を求める共同声明を出す方針を決めた。意見交換後の会見で、加美町の下山議長は、「最終処分場は、1県に1つずつは必要ない」と強調。その後、塩谷町の詳細調査候補地を視察した。

国は2011年に「放射性物質汚染対処特措法」を定めて、宮城、栃木、群馬、千葉、茨城の5県は、それぞれ県内に最終処分を建設し、発生した指定廃棄物を焼却・処分する方針となっている。宮城県内での最終処分場建設をめぐっては、環境省が2014年1月、 栗原市、大和町、加美町の3市町村を選定。2014年10月末に3候補地で一斉にボーリング調査を始める予定だったが、加美町の住民の反対運動などで調査が延期している。

関連サイト
宮城県加美町「指定廃棄物最終処分場候補地選定について」
http://www.town.kami.miyagi.jp/index.cfm/6,3763,html
栃木県塩谷町「指定廃棄物最終処分場候補地選定までの経緯と現状」
http://www.town.shioya.tochigi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=34321
環境省「放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト」
http://shiteihaiki.env.go.jp/

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