2013/06/19 - 19:06

原発「新基準」決定に抗議の声〜複数原発が再稼働申請へ

原子力規制委員会は19日、原発再稼働の前提となる原発の「新規制基準」を決定した。閣議決定を経て7月8日に施行し、同日より電力会社の再稼動申請を受け付ける。審査には6ヶ月程度を見込んでいる。委員会の傍聴につめかけた市民からは、検討内容が不十分だとして抗議の声が上がった。
 
原発の「新規制基準」は、東京電力福島第1原発事故を受けて、既存の規制基準では不十分であるとの教訓から、去年10月から原子力規制委員会で議論がされてきた。この日正式決定された「新規制基準」は、福島原発事故のような過酷事故の対策を義務付け、地震・津波対策をより厳格化。活断層の上には原子炉建屋などの設置を認めないことが決められ、活断層の定義も「12万~13万年前以降」とされていたものが「40万年前以降」までさかのぼるよう求められている。
 しかし、中央制御室の代わりの「特定安全施設」設置や、放射能が外部に出るのを抑える「フィルター付きベント装置」の加圧水型炉型原発(PWR)への設置などは、5年の猶予期間を設ける。
 
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「国際的にも相当きちんとした体系ができた。真価を問われるのは、これからの審査の中で魂が入るかどうかだ」と説明したが、傍聴者からは「パブコメが反映されていない!」などと抗議の声が上がった。
  原子力規制委員会の傍聴を続ける「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武さんは、「ヒアリングを行ったのは電力会社のみ。福島原発事故が収束していないのに、なぜ再稼動に向かうのか。拙速なやり方だ」と批判した。
 
 原子力規制委員会は、3チーム計80人の体制で審査にあたるが、詳細な審査方法についてはまだ決まっていない。
 

 


 

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