2015/05/13 - 16:17

原発避難者「路頭に迷う」~住宅支援継続求め署名4万提出

東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県外へ避難している被災者らが13日、来年度以降も住宅支援を継続するよう、内閣府に対して署名を提出した。「支援を打ち切られれば、避難を続けることが経済的に困難となる」と訴え、昨年の2倍以上となる4万4978人筆の署名を手渡した。

今回署名を提出したのは、東京や埼玉、京都の避難者と支援者で活動する3つの市民団体のメンバーら約20人。内閣府、復興庁、国土交通省の担当者らに対し、住宅の無償提供期間の延長や新規避難者への住宅支援の再開、災害救助法ではない新規の支援立法の制定などを要望した。

これに対し、内閣府防災担当者の石井洋之主査は、「昨年の倍の署名を重く受け止める」と発言したものの、「5月末頃までに福島県が協議書をまとめて、それを受けて国が決定する」と説明。福島県が国に要望しない限り、延長は実施されないとの考えを示した。

面談後の会見で、いわき市から都内に家族4人で避難した「ひなん生活を守る会」の鴨下祐也さんは、「避難者の中には、路頭に迷うという表現をしている方もいる」と行政の対応を批判。今年は、署名の手渡しそのもののさえ調整が大変だったと説明し、危機感をあらわにした。

また福島県いわき市から東京へ母子避難し、現在、都内の借り上げ住宅(みなし仮設住宅)で子ども4人と暮らしている30代の女性は、国が帰還政策を強化している実情について、「国は帰らせればすむ問題だと思っている。避難者をバカにしている」と批判。「なぜ1年ごとの更新なのか、1年で原発事故は終わるのか。安心して子どもの未来を考えられない」と肩を落とした。

3団体は15日、福島県知事宛にも署名を提出する。

<みなし仮設の延長問題>
東日本大震災に伴う県外に避難している被災者は、「みなし仮設」と呼ばれる借り上げ住宅で暮らしている。しかし、同住宅は、もともと2年間が利用期限とされている「災害救助法」の「応急仮設住宅」に準ずるため、支援の継続決定は1年ごととなっており、来年3月以降の見通しはたっていない。内閣府によると、今年3月1日時点で、被災3県(福島県、宮城県、岩手県)から県外に避難して、「みなし仮設(借り上げ住宅)」で暮らしているのは、1万793戸2万7333人。同住宅は、「災害救助法」に基づき、避難元が要望して実施が決まる仕組みとなっているため、福島県の対応が焦点となる。

関連リンク
避難用住宅の無償提供期間の 用住宅の無償提供期間の長期延長を求める署名
http://goo.gl/HsYViD
ひなん生活をまもる会
http://hinamamo.jimdo.com/
震災支援ネットワーク埼玉
http://431279.com/
うつくしま☆ふくしまin京都
http://utukushima.exblog.jp/

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。