小児甲状腺がん
2021/10/14 - 13:55

福島県の甲状腺がん、集計外含め293人〜星座長は5期目

東京電力福島第1原発事故後に福島県で行われている「県民健康調査」の検討委員会が15日、福島市内で開かれた。2年ぶりに委員の改選が行われたが、座長は引き続き星北斗福島県医師会副会長が就任した。星氏が座長を務めるのは、山下俊一前座長が退任した2013年6月以降、5期連続となる。一方、同じく最も古くから委員をしていた春日文子委員は退任した。

この日、議論したのは、妊産婦調査と甲状腺検査の2つ。多くの調査が縮小傾向にある中、議論は低調で、会議は終了予定時刻の4時よりも1時間以上早い午後2時50分に終了した。また取材するマスメディアも大幅に減り、会議を撮影しているテレビ局は福島中央テレビの1社のみ。かつては、国内外のテレビカメラがずらりと並び、記者でごったがえした検討委員会の会場はすっかり様変わりした。

福島県の甲状腺がん、集計外含め293人

今回、公表された甲状腺検査結果は、今年6月30日までの4巡目、5巡目の検査結果。4巡目で新たに3人、5巡目で3人の計6人が穿刺細胞診で新たに甲状腺がんと診断され、甲状腺がんの疑いがあると診断された患者は266人となった。全国がん登録などで把握された集計外の患者をあわせると、少なくとも293人が甲状腺がんと診断されたことになる。

また、4巡目で2人、5巡目で1人が手術を行い、全て甲状腺がんと確定した。甲状腺がんと確定した患者はこれまでに222人となる。

問題なのは、5巡目結果の公表の仕方だ。5巡目の結果で公表されたのは、人数と性別だけで、甲状腺がんと診断された3人の年齢も腫瘍径も、前回、どのような検診結果だったのかも公表されなかった。福島県立医科大学で甲状腺検査を担当している志村浩己教授は、「最近では人数が少ない場合、個人が特定されるため、公表しないようにしている。今後、人数が増えたら公表する」と釈明し、5歳の階級別結果も公表しなかった。

同検査では、事故当時5歳以下だった年代が今後、どの程度、増えてくるかが焦点となっている上、学校での集団検診を縮小する声が強まっている中で、患者の年齢は最も重要な情報となる。にもかかわらず、データの公表の仕方は、徐々に狭まっている。

また気になるのは、5巡目で手術を受けた患者の状況だ。患者は今年度検査対象者で、6月末までに手術を終えている。同検査は通常、1次検査を受けたあと、2次検査結果の通知が届くまでに数ヶ月を要する。にもかかわらず、わずか2ヶ月間の間に手術まで終えたということは、極めて例外的な対応が行われていると見られる。この患者はB判定ではなく、むしろC判定だった可能性がある。

資料はこちら
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai-43.html

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