2023/10/13 - 09:52

在日コリアン3世への差別投稿で194万円の支払い命令〜横浜地方裁判所川崎支部

川崎市在住の在日コリアン3世の崔江以子さんに対し、インターネット上で「祖国へ帰れ」「差別の当たり屋」などと投稿したことは違法だとして、投稿者に対し損害賠償を求めた裁判で、12日、横浜地方裁判所川崎支部は判決を言い渡した。地裁は原告の主張を認め、投稿者に合計194万円の支払いを命じた。

被告は2016年からソーシャルメディアによる投稿で原告を中傷する文面を投稿。これを受け、原告は法務局に人権侵犯被害を申告した。法務局は被告の投稿を人権侵犯と判断し、ソーシャルメディア管理者に削除を要請。即日削除されたが、それ以降、被告は執拗にブログやX(旧Twitter)等で原告を名指しして誹謗中傷を書き込んだ。

以降も同様の投稿が続いたため、原告側は21年11月に横浜地裁川崎市支部に305万円の損賠賠償を求める訴訟を提訴。23年7月の結審までに被告が法廷に姿を現すことは一度もなく、23年7月に結審、判決を迎えた。

判決後、原告の崔江以子さんが地裁前に姿を現すと、駆けつけた多くの原告支援者らが喜びと労いの言葉をかけた。原告の崔さんは時折涙を浮かべながら「ありがとうございます」と感謝を述べた。

判決後の記者会見で、弁護団の神原元弁護士は「”帰れ”という表現はネット上で最も多いヘイトスピーチ」であり、これに対し司法が「差別」と認定したことは「画期的」と評価した。原告で川崎のふれあい館館長の崔江以子さんは、「裁判所は想像以上の希望を私たちに与えてくれました」と感謝を伝えたうえで「今回の司法判断を持って、今後のインターネット上の差別を禁止する法規範に繋がるといいなと思います」と述べた。

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。