小児甲状腺がん
2023/12/04 - 15:04

原告「何回手術すればいいのか」〜甲状腺がん裁判

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた若者が東京電力に損害賠償を求めた裁判の第8回口頭弁論が12月6日、東京地方裁判所で開かれた。9月に裁判長が交代したため、原告側、被告側双方が法廷で、これまでの主張などを整理した陳述を行った。また、2人の原告が意見陳述を行った。

最初に法廷で陳述をしたのは被告・東電側。棚村友博弁護士が、UNSCEAR報告書に基けば、原告の被ばく線量は、甲状腺がんを発症するほど高くないなどと主張した。棚村氏は、UNSCEAR(国連科学委員会)の信頼性を強調したが、UNSCEAR報告書が、「ICRP(国際放射線防護委員会)の放射線防護基準策定の基礎となっている」「日本側はデータ収集に徹した」など、事実に基づかない独自の見解を口にすることもあった。

一方、被ばく線量と疫学に関する準備書面を提出した原告側は、被ばく線量に関わる点と、疫学に基づく因果関係論の両面で、東電に反論。田辺保雄弁護士が、東京電力が主張する「スクリーニング検査によって、潜在がんが多数見つかっている」との主張には根拠がないと批判した。

またこの日、原告の2人が法廷に立った。1年前の陳述では衝立て越しに陳述したが、今回は、遮蔽をせず、傍聴席から姿が見える状態で、意見陳述を実施した。最初に証言台に立ったのは、明るいメッシュの入った茶色のボブカットに、スモーキーブルーのトレーナーという出立ちの原告5さん。

「がんの治療が長引くのは、だるくなります。何回手術すればいいのか、もしかしてずっと続くのではないかと考えちゃいます。」

去年の意見陳述から1年間の間に、再び手術の可能性を指摘されながらも、なかなか細胞診ができず、もどかしい思いをしていることをとつとつと読み上げた。

また、最年少の原告6さんは、明るい色のポニーテールに、茶色のトレーナーで遮蔽された原告席から証言台に進み、大学に入ってからの心境の変化や、裁判に対する思いなどを語った。

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