石破首相は9日、長崎市内で原爆被爆者と認められていない「被爆体験者」と面会した。面会の様子をノーカットで配信。
長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長の川野浩一さんは「80年というのはあまりにも長すぎる。なんとかこれ以上この問題を長引かせず、早急に成果を要望したい。被爆者はいなくなります。亡くなってしまったあとに結論をだしても何の意味もない。どうか残された課題を、早急に誠意をもって対応をお願いしたい」と訴えた。
石破首相は「時間がないということをあらためて強く認識した。被爆の実相や戦争体験を次の世代に伝えていくことは、時間の流れとともに風化していくことは事実として認めなければならない。伝えていくには、今まで以上のエネルギーが必要だと感じている。救済についても、(対象の方が)いなくなってしまっては対策をつくっても仕方がない。政府として、よく肝に銘じて今後も対応していく」と述べた。
石破首相との面会に出席したものの発言の機会が得られなかった「被爆体験者」の岩永千代子さんは、「私が言いたかったのは抗議や自分の救済ではない。放射線微粒子や内部被曝で苦しんでいた人たちがいる。その思いも共有したかった。首相は国民の悲しみを真摯に聞き取って欲しい」と語った。