品川の道路で隆起~リニアトンネル工事のほぼ真上
東京都品川区の道路が10メートルにわたり、大きく隆起していることが28日、確認された。隆起した工事は、リニア中央新幹線の第一首都圏トンネルのシールド工事が行なわれているほぼ真上で、シールドマシンの先端までは5メートルほどと見られる。一晩で、道路が10センチ隆起した可能性もある。
大崎駅から品川区役所に通勤していた品川区の職員が、大崎ガーデンタワーに面した道路の隆起に気がついたのは、10月28日朝7時すぎ。道路の10メートルに渡り、最大13センチほど車道のコンクリートが隆起し、歩道に段差が生じていた。
職員からの連絡を受けた品川区は即座に現場を確認。歩道の段差を修復する応急対応を行うとともに、同日8時半、リニア工事を行なっているJR東海に連絡し、原因が究明されるまでシールド工事を行わないよう要請した。JR東海は品川区の要請を受けて、シールド工事を中断し、現在、周辺環境の調査を行なっている。
地下トンネルのシールド工事は24時間体制で行われているため、品川区は、JR東海から、トンネルの直上にあたる地域環境の監視をしていると聞かされてきた。しかし、JR東海は、品川区から連絡があるまで、道路の隆起に気づいていなかったという。一晩のうちに、突如、10センチを超える隆起が発生した可能性もある。
周辺環境の監視業務をどのように行なっていたかについて、JR東海に取材をしたところ、現時点では一切、分からないと回答。そうした質問は、広報部ではなく、サービス相談室に聞いてほしいとして、OurPlanet-TVの取材を事実上拒否した。

リニア工事をめぐっては2021年10月に、北品川から世田谷区の等々力に向けてシールド工事が開始されたが、トラブルが相次ぎ、この4年間で掘削が進んだのはわずか489メートルにとどまっている。品川区によると、トラブルのたびに、区民から不安の声が寄せられているという。
これから、まさに住宅街直下の掘削に進むというタイミングで発生した道路の隆起。品川区はJR東海に対し、原因の究明とともに、区民へ対して丁寧な説明するよう求めている。