リニア中央新幹線の沿線住民が、工事認可の取り消しを求めて国を訴えている裁判の、控訴審の第8回口頭弁論が5日、東京高等裁判所で開かれた。住民側は、昨年10月に、品川区の道路が13センチ隆起した事故について、JR東海の公表するデータには信頼性がないと厳しく追及した。
住民側の代理人・横山聡弁護士は法廷で、JR東海が昨年12月に公表した資料を投影しながら意見陳述し、資料には「第三者が検証可能な数値やデータに基づく説明がない」と指摘。「JR東海はこれまでも、結論だけを示し、具体的な情報を示してこなかった。この姿勢を改めない限り、事業の継続に同意も信用もできない」と厳しく批判した。さらに国に対しても、「JR東海にこのまま事業を続けさせてよいのか、改めて考えるべきだ」と訴えた。
事故が起きた北品川工区で採用されている「泥土式シールドマシン工法」は、トンネルを掘削する際、掘り出した土砂に、シェービングクリーム状の気泡材を混ぜて柔らかくし、土砂を排出しやすくしている。JR東海は報告書で、事故の原因について、外に排出されるはずの空気が外に出ずに内部に溜まり、その空気が一気に地上へ漏れ出したことで、地表が押し上げられたと推定している。
JR東海は対策として、空気が溜まり過ぎないよう管理するとしているが、横山弁護士は期日後の集会で、「泥土式シールドマシン工法を続ける限り、危険性は常に伴う。」と批判。「別の工法にするべきだ。」と警鐘を鳴らした。次回の期日は5月21日。