移民難民
2026/03/18 - 15:25

人種差別撤廃条約の解釈で対立〜レイシャルプロファイリング訴訟

人種や肌の色など外見を理由とする職務質問は違法であるとして、海外にルーツを持つ男性3人が国などに損害賠償を求めている訴訟の第9回口頭弁論が12日、東京地裁で開かれた。原告と職務質問を行った東京都と愛知県の警察官に対する証人尋問が実施される見通しとなった。

警察などの機関が、合理的な疑いなく、人種や肌の色などの属性に基づいて選別し、職務質問などを行うレーシャルプロファイリング。今回の期日では、このレーシャルプロファイリングについて言及している「人種差別撤廃条約」をめぐって双方が主張を戦わせた。原告側はこれまで、人種差別撤廃条約は、差別的な職質を防止するため、締結国に対し、研修プログラムの実施など、具体的措置を講じることを求めていると主張。これに対し国側は、「条約には具体的義務は定められていない」などと反論していた。

研修や実態調査は義務か〜人種差別撤廃条約めぐり応酬

原告代理人の谷口太規弁護士は法廷でプレゼンし、国の反論を批判。条約の趣旨を見れば、国の解釈は誤っていると指摘。憲法は98条で、国際条約の誠実な遵守を求めているとした上で、差別を防止し、すでに起きている差別を是正する具体的措置を講じるのは、締結国の義務であると主張した。

また、差別的な職務質問に関する実態調査をめぐっても、双方が対立した。人種差別撤廃委員会の一般的勧告は、国が実態調査するよう求めているとの原告の主張に対し、国は「法的拘束力はない」と反論。原告は、「同条約の一般的勧告は、締約国に対する条約の解釈や運用指針を示すもの」「これを踏まえない解釈は不合理だ」と批判した。

原告のゼインさんは期日後の集会で、「この裁判は闘うものではなく、お互いをよりよくするもの。警察を信頼することで協力関係でき、最終的には治安がよくなると思います」と期待を込めた。次回の期日は6月4日。次々回以降に、原告と、原告らに職務質問を行った警察官に対する証人尋問を実施する方向となった。

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