外国人との共生社会を実現しようと、作家や音楽家などの文化人が16日、千代田区の有楽町駅前で、外国人への差別的な言動を放置しないよう訴える街頭アピールを行った。
「デマと差別が蔓延する社会を許しません」と題する集会を呼びかけたのは、弁護士の太田啓子さんや音楽プロデューサーの松尾潔さんら。昨年7月の参院選以降、外国人に対する排外的な動きが広がっていることに危機感を抱き、様々な立場の関係者が集まった。昨年8月に初集会を開き、今回は4回目。臨時国会が招集されたのに合わせて開催した。
松尾潔さんは集会の冒頭で、「どうか皆さん、慣れないでください」と呼びかけ、外国人への差別的な言動が日常の風景となり、慣れてしまうことがないよう訴えた。さらに、「差別に反対することは特別な政治思想ではありません。人間の尊厳を守る、ごく当たり前の姿勢です」と続けた。
太田啓子さんは、イスラム教のモスク建設に反対する抗議デモを目にしたイスラム教徒の小学生が、「自分はここに住んでいていいのか」と親に相談した事例を紹介。「ここに、いていいんだよ」というメッセージを声に出して伝えていくことの大切さを訴えた。
「差別的なデマにNo!」〜反うわさ戦略に学べ!
また小説家の中島京子さんは、行政が率先して、誤った噂を否定する政策を展開しているスペイン・バルセロナ市の「反うわさ戦略」を紹介した。バルセロナには、多数の移民や難民が暮らしているため、かつては「外国人が増えると治安が悪くなる」といった誤った噂が広まり、差別的な言動も多かった。そこで、バルセロナ市は2010年頃から、こうした嘘を否定する正確なデータを公開したり、講習を開催する取り組みを展開。中島さんは、「こういう人たちのおかげで、バルセロナでは危険な排外主義ははびこらなかった」と述べると、差別や排外主義の広がりを防ぐため、「私たちも反うわさ戦略を実施しましょう」と呼びかけた。