2015/01/13 - 15:27

「津波対策怠った」新たに9人告訴~福島原発告訴団

東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け「福島原発告訴団」は13日、大津波を予測していたにもかかわらず対策を怠ったとして、新たに東京電力や旧原子力安全・保安院の当時の幹部ら9人を業務上過失致死傷罪で東京地検に告訴した。
 
告訴されたのは、東電で福島第1原発の津波対策の責任者だった3人のほか、原発の安全審査を担当していた原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監ら4人と原子力安全委員会と電事連の津波対策担当者2人の計9人。去年11月に発売された添田孝史さんの「原発と大津波 警告を葬った人々」(岩波新書)や同年12月に公開された政府事故調査委員会の調書で、国が事前に把握していた津波対策を講じなかった事実が明らかになったことから、新たな告発に踏み切った。保安院の小林勝・耐震安全審査室長の調書では、2009年に東日本大震災と同じクラスの貞観地震での津波の危険性が問題になっていたものの、内部で圧力があったことが語られている。
 
福島原発告訴団の武藤類子団長は、公開された政府の事故調査委員会の調書で津波対策を怠ったことが明らかになってきていると指摘。「検察はきちんと調べ、原発事故の責任を明らかにして欲しい。」と訴えた。
 
「福島原発告訴団」は、2012年3月に福島県民を中心に結成。同年6月に福島地方検察庁に告訴状を提出し、地震・津波対策を怠って事故を発生させ、住民を被曝させたなどとして、東電の勝俣恒久前会長をはじめ東電や政府関係者ら33人の刑事責任を追及。しかし、東京地検は2013年9月に不起訴処分を決定した。同団体は不服として、同年10月に東電幹部6人を対象に検察審査会に審査の申し立てを行なったところ、検察審査会は2014年7月31日、東京電力の勝俣元会長ら旧経営陣のうち3人について「起訴すべき」との議決を公表した。現在、東京地検が2月2日を期限に再捜査をしている。
 
資料
保安院の小林勝・耐震安全審査室長の調書(政府事故調査委員会)
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_3/110_koukai.pdf
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_3/150_koukai.pdf
ヒアリング記録一覧(政府事故調査委員会)
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/hearing_koukai_3/hearing_list_3.htm…
 
関連サイト
福島原発告訴団
http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
 
関連動画
2014年7月31日「東電元会長ら3人「起訴すべき」検察審査会」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1813
2014年6月4日「東電幹部の起訴を~被災者ら検察審査会に申し入れ」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1791
2013年2月22日配信「東電の強制捜査を求め、被災者ら東京地検囲む」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1538
2012年9月3日配信「政府・東電の集団告訴〜11月までに全国1万人規模めざす」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1431
2012年6月12日配信「福島の1300人が告訴状提出~東電会長ら33人」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1378
 

 

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