2013/12/18 - 09:36

【秘密保護法】国会靴投げで拘留延長〜支援者は不起訴求め署名提出

特定秘密保護法案の採決をめぐり、参議院本会議場で靴を投げ込んだ男性が現行犯逮捕された問題で、男性を支援する市民らが16日、男性の即時釈放などを求める署名を東京地方検察庁に提出した。しかし、検察庁は翌日、10日間の拘留延長を決めた。
 
この日、検察庁に集まったのは、秘密保護法成立時に国会で傍聴などを市民らなど約30人。男性の即時釈放を求める署名約3600筆を検察側に手渡した。要望書では、男性の即時釈放と不起訴に加え、拘留に対する謝罪の3点を求めている。
 
市民らは事前に、男性の拘留を決めた公安部の鈴木敏宏検事への面会を要求していたが、代わりに公安部事務課所属の輿水稔検察事務官ら2名が対応。しかし、両氏は名刺を持ち合わせておらず、島田と名乗る事務官は身分証の提示も拒んだため、市民側からは「何者か分からないのに署名を渡せるか」などの非難の声が飛び、一時騒然とした。
 
目撃した傍聴者「逮捕は不当」
男性の代理人を務める一ノ瀬敬一郎弁護士によると、靴が投げ入れられたのは、参議院本会議で秘密保護法の審議が打ち切られた12月6日の22時51分頃。その時点で、民主、みんな、維新3党の議員は本会議場から退席しており、共産、社民党も演説を終えていた。一之瀬弁護士は「議事の進行が実際に阻害されたものでもなく、参議院の業務の運営が実際に害されたという結果がそもそも発生していない」と話す。
 
逮捕された男性と同じブースで傍聴し、抗議活動に参加した長畑豊さんによれば「靴は誰にも当たっていないし、それに気付いた議員すらいなかった」と状況を説明。威力業務妨害罪の適用はおかしいと憤慨する。一橋大学の鵜飼哲教授は「署名が続々集まっている。早く釈放させて、秘密法廃止に向けた闘いの第一歩としたい」と話した、
 
靴投げで家宅捜索? 拘留期限延長?
男性が逮捕された7日、警察発表を受け、新聞各社が男性の逮捕を実名報道した。また、警視庁は4日後の11日、男性の自宅を家宅捜索している。署名提出の翌17日には男性の拘留期限を迎えたが、検察は10日間の拘留延長を決定した。19日には勾留理由開示公判(東京地裁429号法廷)が開かれる。
 
勾留延長を受け、市民団体は、抗議と署名活動を継続していくとしている。拘留理由開示公判の判決前日にあたる26日には、国会内で「Aさんの解放と『秘密保護法』の廃止を求める院内集会」が行われる予定だ。
 

 


 

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