福島第一原発事故
2011/06/21 - 20:21

山下俊一放射線アドバイザーにNO〜解任を求め署名開始

福島県の放射線リスク管理アドバイザーに任命されている山下俊一長崎大学教授の解任などを求め、6月20日、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークなど7団体が記者会見を行った。

記者会見を行ったのは子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、国際環境NGO、FoE Japan、グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの7団体。「福島の子どもたちを守るための緊急署名」「山下俊一氏を福島県の放射線健康リスク管理ア
ドバイザー等から解任する県民署名」に関して説明を行い、山下俊一長崎大学教授の福島県放射線健康リスク管理アドバイザーおよび県民健康管理調査検討委員からの解任を求める理由などについて話した。

山下俊一氏(長崎大学医歯薬学総合研究科教授に)は長崎生まれの被爆二世。1991年からチェルノブイリ原発事故による被曝者治療にも関わり、特に子どもの甲状腺ガンに関しは多くの実績を残している。福島第一原発事故後の3月19日に、佐藤雄平・福島県知事の委嘱を受け、県の放射線リスク管理アドバイザーに就任し。県内中をまわり福島原発事故と放射線の影響に関して講演を行ってきた。

しかし、本来、放射線のリスクを最も知っている専門家であるにも関わらず、就任直後の3月21日に福島市で開催された「放射線と私たちの健康との関係」という講演会の中で、「100マイクロシーベルト/hを超さなければ、全く健康に影響及ぼしません。」と断言。子どもに対しても、「どんどん遊んでいい」と話すとともに、マスクについても「気休め」として「皆さん、マスク止めましょう」と呼びかけた。

しかも、「放射能の影響は実はニコニコ笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます」などと持論を展開。「これから福島という名前は世界中に知れ渡ります。福島、福島、福島、何でも福島。これは凄いですよ。もう、広島・長崎は負けた。福島の名前の方が世界に冠たる響きを持ちます。ピンチはチャンス。最大のチャンスです。何もしないのに福島、有名になっちゃったぞ。これを使わん手はない。」と福島県民の神経を逆撫でするような発言をしている。

この日の講演は、福島市の市政だよりをはじめ、多くの行政広報誌で採録されて配布されたことで、「妊婦や乳児であっても、年間100ミリシーベルト以下では大丈夫」、「1時間当たりの環境線量が10マイクロシーベルト以下であれば、もう外で遊ばせて大丈夫です。」とのメッセージが過ぎに福島県内に浸透したという。

会見で、子どもを放射能から守る福島ネットワークの中手聖一さんは、「親の立場から許しがたいのは山下氏が『大丈夫だ』『子どもを外で遊ばせていい』という発言をくりかえしたこと。彼を信じて子どもを外で遊ばせた親たちは今、わが子を被ばくさせてしまったことへの後悔と罪悪感で苦しんでいる。県民の健康影響を調査する検討委員に山下氏は最もふさわしくない」と声を詰らせながら語った。

山下氏への不信は4月半ばあたりから、福島県内で広がっており、5月2日に二本松市の講演会では市民が山下氏のこれまでの発言をただす激しい応酬が繰り広げられた。これを見ていた二本松市長は、山下氏とは異なる放射線防護の専門家をアドバイザーに任命。独自の内部巾区長をを行うことを決定した。現在、質疑応答のある一般市民向けの講演会は開催できない状況にある。

なお、山下氏は、福島県内で「100ミリ以下は安全」とアドバイスしてきた一方で、福島県外や専門家向けの媒体や講演では「複子どもや妊婦を中心に避難させるべきだ。」(3月25日の長崎新聞のインタビュー)。「飯舘や浪江、川俣の一部の数値が高いのを見て、自主避難ではダメだ、きちんと命令してあげないといけないと言ってきた」「30キロ圏内でも必要ならば避難させなきゃだめだとも言ってきました」(5月25日発行の朝日ジャーナル)などと語っている。

山下俊一の解任を求める県民署名(福島県民のみ対象)
1次締切:6月30日、2次締切:7月15日。3次締切:7月31日
ネット署名
http://goo.gl/vh37x
ダウンロード
http://fk-m.com/re-yama

福島の子どもたちを守るための緊急署名(国内外の全ての人対象)
1次締切:6月20日、2次締切:6月30日、最終締切:7月5日
http://www.foejapan.org/infomation/news/110610.html

ふくしま市政だより(4月21日号)
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/kouhoushi/shisei/11-04-21/2011apr…
「100ミリ以下は安全」放射線アドバイザー山下俊一氏に苦言殺到
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1037
二本松市 独自で内部被ばく検査へ
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1071

Standing Together, Creating the Future.

OurPlanet-TVは非営利の独立メディアです。視聴者の寄付を原動力に取材活動を展開しています。あなたもスポンサーとして、活動に参加してください。継続的に支援いただける方は会員にご登録ください。

※OurPlanet-TVは認定NPO法人です。寄付・会費は税額控除の対象となります。