2021/04/22 - 18:33

ミャンマー国軍の資金源となりうる援助の停止を〜NGOが要請活動

ミャンマーで2月1日にクーデターが発生してから2か月半以上が経過した。国軍の弾圧は激しさを増し、ミャンマーの人権団体・AAPPによると4月22日時点で市民739人が犠牲となり、3,331人が恣意的に拘束されている。

こうした中、日本のNGO4団体は(メコン・ウォッチ、FoEジャパン、武器取引反対ネットワーク、アーユス仏教国際協力ネットワーク)、4月13日から19日までの1週間、「ミャンマー国軍の資金源を断て」と連続アピールを実施。ミャンマー国軍の資金源になり得る援助や事業をしている7つの政府機関と12の企業を訪れ、経済協力をいったん停止し、日本の公的資金がミャンマー国軍に流れないよう要請した。

他の先進諸国と比べて特に影響力のある日本
軍事政権時代、世界中から経済制裁を受けていたミャンマーは、目覚ましい発展をしてきた東南アジア諸国の中で取り残されてきた。しかし、民主化に向かい始めた2011年以降、急速に発展。とりわけ、軍事政権時代からミャンマーとのパイプが太かった日本政府は、“最後のフロンティア”と称して経済協力をさらに強化。累計1兆円を超える円借款と4000億円以上の無償援助を展開し、自由主義経済の国家で最大の援助をしてきた。

こうした中での軍事クーデータ。アメリカ、カナダ、EUなどは即座に援助を中止し、国軍幹部の資金を凍結するなど制裁を発動したが、日本政府は制裁どころか、既存のODAを継続。新規ODAを見送るだけに止まっている。また民間企業も、大手ビールメーカーのキリンHDが国軍と関係のある地元企業との連携を解消する方針を固めたが、多くは事業を継続している。

東南アジアの開発問題に詳しいメコン・ウォッチ、木口由香事務局長は、「(要請を行った政府機関、企業は)大きな事業をやっているところが多いので、すぐに決めるということが難しいがミャンマーの現状を変えるには日本からのお金が国軍に流れないということを示していくことが非常に重要」と述べ、一般市民にも関心を寄せて欲しいとしている。

日本の税金が国軍の資金源に流入している可能性
今回、市民団体が特に問題視しているのは、「ティラワ経済特別区」「Yコンプレックス」の二つの事業。「Yコンプレックス」事業は、国際協力銀行JBICなどが融資・出資し、東京建物とフジタが開発を進めるヤンゴン市内の複合商業施設で、土地の賃料が国軍の管理する国防予算に流れる恐れがあると市民団体は指摘する。

またJICAが供与する借款で開発している「ティラワ経済特別区」では、現在大規模なインフラ整備が進められているが、特別区につながる「バゴー橋」の建設には国軍系企業が参加しているとされ、業莫大な利益が流入している可能性が指摘されている。
こうした事業に関与しているとして、市民団体が要請を行った政府機関と企業は以下の通り。

・内閣府
・外務省(JICAの監督官庁)
・財務省(JBICの監督官庁)
・国土交通省(JOINの監督官庁)
・国際協力機構(JICA)・・・ティラワ経済特別区、バゴー橋に関与
・国際協力銀行(JBIC)・・・Yコンプレックス、キリンM&Aに関与
・海外交通・年開発事業支援機構(JOIN)・・・Yコンプレックス

 

<国軍を利する援助やビジネスの関与が指摘される12企業>

・住友商事(ティラワ経済特別区)
・東京建物株式会社(Yコンプレックス)
・日本ミャンマー開発機構(国軍企業のジョイントベンチャーパートナー)
・フジタ(Yコンプレックス)
・ホテルオークラ (Yコンプレックス)
・丸紅(ティラワ経済特別区)
・みずほ銀行(ティラワ経済特別区、Yコンプレックス)
・三菱商事(ティラワ経済特別区、Yコンプレックス)
・三井住友銀行(ティラワ経済特別区、Yコンプレックス、タサキ(真珠の養殖場))
・三菱UFJ銀行(ティラワ経済特別区)
・横河ブリッジホールディングス(バゴー橋)

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