2月8日に投開票を迎える衆議院総選挙を控え、人権問題に取り組む市民団体が26日、排外主義の煽動に反対する緊急共同声明を発表した。候補者や政党に対し、選挙期間中に、外国人への偏見を煽るような発言をしないよう求めた。
共同声明を出したのは「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」など、外国人や難民問題に取り組むNGOなど11団体。声明では、昨年7月の参議院選挙で、排外主義的な煽動を競い合うような状況が生まれたと批判。今回の選挙で、「さらに排外主義の煽動が行われ、外国にルーツをもつ人々が恐怖にさらされ、差別に反対する声を封じる暴力的な攻撃が起きることを危惧している」と警鐘を鳴らした。
声明によると、高市政権発足以降、外国人に対する取り締まりが急速に強化され、外国人排斥を訴えるデモや街頭宣伝が増え、インターネット上でもヘイトスピーチが氾濫しているという。この結果、日本で暮らす外国人の間では、「住居や駐車場を貸してもらえなくなった」「クレジット契約の更新を断られた」「クラスメートから『日本人ファースト』と言われた」など、日常生活における影響も起きている。
外国人への偏見を煽るキャンペーンするな
声明では、外国人に対して偏見を煽るような選挙運動をしないことに加え、差別を明確に批判するよう、政党や候補者に求めているほか、政府・自治体に対しては、選挙運動においてヘイトスピーチが許されないことを徹底して周知することを要請した。さらに報道機関に対しては、ファクトチェックを徹底するとともに、デマやヘイトスピーチを一つの意見として並列的に扱わないよう求めている。
外国人人権法連絡会の師岡康子弁護士は記者会見で、埼玉県川口市に住むクルド人の被害について報告。「子どもが公園で遊んでいたり、親と街を歩いていただけで盗撮された」「日本人男性から暴力を振るわれた」「近所の男性から暴力を受けた子どもがいる」といった被害の声が上がっていることを明らかにした。
また一般社団法人つくろい東京ファンドの事務局長・大澤優真さんは、政府が今月23日に発表した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を問題視。 特に社会保障に関して、あたかも外国人の多くが、生活保護費などの不正受給を行っているかのように受け取れる記述があり、事実に反すると批判。「明らかなミスリードがたくさんあり、不安や憎悪を煽っている」とした上で、「不安や憎悪を煽らない、煽られない、煽らせない」ことが重要だと呼びかけた。