2026/02/26 - 11:52

原告「現実を直視して」〜国の事業評価を批判・東京外環道訴訟

東京外かく環状道路のうち、練馬区の大泉ジャンクション(JCT)と世田谷区の東名高速道路を結ぶ地下トンネル工事をめぐり、建設ルート周辺の住民らが事業認可処分の取り消しを求めている裁判の第28回口頭弁論が17日、東京地方裁判所で行われた。

この訴訟は、外環道の未整備区間における地下トンネル工事について、国による大深度地下使用の認可と都市計画事業の認可はいずれも違法だとして、建設ルート周辺の住民らが2017年12月に提起したもの。今回の期日で提訴から9年目を迎えた。

外環道工事をめぐっては、2020年10月、調布市の住宅街で道路が陥没する事故が発生した。トンネル工事は現在も事故現場周辺で停止しており、現場の地盤補修工事については、当初は2025年中の完了が想定されていたものの、進捗はおよそ半分程度にとどまり、今後1年程度遅れる見込みとされている。一方、事故現場から離れた区間では、練馬区の大泉JCTから南に向かう本線トンネル工事など、一部の工事が再開されている。

原告側「現実を直視してほしい」〜5年ぶりの国の事業評価を批判

原告側は、国土交通省関東地方整備局が5年ぶりに実施した昨年10月の事業再評価を批判。遠藤憲一弁護士は法廷で、当初予定の2倍を超える約2兆7千億円に膨らんだ工事の事業費には、調布市の陥没事故に伴う補償費や追加の地盤補修工事費などが反映されていないと指摘。「実際の事業費を過小評価している」と批判した。

また、コストに対して得られる効果を示す「経済的妥当性」が高まったと評価されている点については、時間短縮効果や交通量予測などが楽観的に見積もられており「過大評価だ」と指摘した。さらに、2031年3月までに完成するとの想定についても、「陥没事故後の補修工事や工事停止の影響を踏まえれば、現実的とは言えない」として、「現実を直視してほしい」と訴えた。

遠藤弁護士は期日後の報告集会で、裁判長が進行協議の中に、「おおむね2年後の判決」を視野に審理を進めようとしている姿勢を示したことを批判。「また事故が起きるかもしれない上、2030年度の完成が見通せない状況で、現実を度外視して、なぜ判決だけできるのか」と指摘。「事業者の悪事は全て見逃して、形式的に適法という判決を出してしまう。これだけは認められない。主張をより深めて、国を追求していきたい」と述べた。

次回の口頭弁論は5月26日。

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