2026/06/05 - 17:12

元警察官が証言「見た目による職質、あった」〜レイシャルプロファイリング訴訟

人種や肌の色など外見を理由とする職務質問は違法であるとして、海外にルーツを持つ男性3人が国などに損害賠償を求めている訴訟の第10回口頭弁論が4日、東京地方裁判所で開かれた。原告側は法廷で、元警察官による警察内部の実態を語ったインタビュー映像を上映した。

警察が、人種・皮膚の色・民族的出自などを理由に個人を犯罪捜査の対象とする手法は「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれ、日本も批准する人種差別撤廃条約に基づく独立機関の国連人種差別撤廃委員会が防止を求めている行為。原告らは2021年から2023年にかけ、見た目を理由に警察による職務質問を受けたと訴えている。

原告側はこの日、愛知県警で職務質問を担当する地域課に所属していた元警察官のインタビュー映像を上映した。映像は、原告側が過去に証拠として提出した元警察官への聞き取り報告書の元となったもので、映像や音声はモザイク処理され上映された。

「見た目による職質、あった。」

元警察官は、外国人や外国ルーツに見える人への職務質問について、「結構ありました」と証言。その背景について、警察内部では警察官一人ひとりに数値目標(ノルマ)が課されており、その達成のため、不審事由がなくても、自転車の窃盗や万引きなどの軽犯罪、オーバーステイの摘発を狙って、多くの外国人に声をかけるような運用が行われていたと説明した。

また、不審事由のない違法となりうる職務質問については、警察組織から「職務質問ではなく”声かけ”だと説明するよう教えられていた」と証言。報告書の作成でも、新人警察官が事実どおりに記載すると、上司から「これだと違法だろう」として書き直しを求められ、「目を逸らした」「警察官を見て反転しようとした」など、不審な行動があったような表現に修正されることがあったと述べた。

さらに、警察内部でレイシャル・プロファイリングをめぐる通達が出された際も、「外国人に職務質問する際は法的根拠に基づけ」という指示ではなく、「外見だけを理由にしたと思われないよう、”こういうところが怪しかった”と説明するよう指導された」と証言。「外国人を決めつけで職務質問するのは駄目だという話はなかった」と振り返った。

元警察官は、「ノルマがある以上、オーバーステイの摘発を目指せば、結果として目につく外国人に幅広く声をかけざるを得ない」とし、こうした実態は通達だけではなくならないとの見方を示した。

原告のシェルトンさんは期日後の報告集会で、「証言してくれたことは有り難いと思う」と述べた上で、証言の内容については「驚いてはいない」と述べた。原告代理人の谷口太規弁護士は、「(映像は)インパクトがあったと思う」と述べ、「レイシャルプロファイリングと言われないように”声かけ”と言い換えているのは、まさに今法廷で行われていることだ」と指摘した。

また、この日の法廷では、証人尋問の日程が決定した。原告3人と、原告らに職務質問を行った警察官3人について、9月29日と10月6日の2日間にわたり証人尋問が実施される。

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