法務省が、在留資格を持たない外国人の強制送還を強化する「不法滞在者ゼロプラン」をさらに強化する施策「不法滞在者ゼロプラン〜強力推進パッケージ」を公表したことを受け、外国人の人権問題に取り組む団体などでつくる「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」は25日、施策の即時撤回を求める声明を公表した。
法務省が5月22日に公表した「強力推進パッケージ」は、病気などを理由に一時的に収容を解かれている仮放免者に対し、要件を満たさなくなった場合は再収容し、帰国するよう説得するとしている。これに対して、市民連合は批判。「心身を追い詰める”帰国強要”」であり「非人道的だ」と撤回を求めた。
また、出入国管理局が、「難民条約上の迫害に明らかに該当しない」と判断した難民申請者に対して、処理を迅速化するとした方針についても、「保護されるべき難民を機械的に振り分け、切り捨てるものだ」と指摘。難民申請者らが家族分離や迫害の危険にさらされるなどと訴えた。
「入管は人命より送還業務を優先」
代表・指宿昭一弁護士は記者会見で、2021年3月に名古屋出入国在留管理局で収容中に、病気になり、適切な医療を受けられないまま死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリ さんの事例に言及。入管庁は、仮放免にすると、帰国を説得することが困難になるとして、仮放免を不許可にしていた経緯があったと説明し、「人命よりも送還業務を優先させた態度を反省せず、臆面もなく、(今回のパッケージを)打ち出してきた」として厳しく批判した。
また、外国人労働者•難民と共に歩む会(BOND)代表の鎌田和俊さんは施策の名称について、「(外国人を)駆除するかのような名前をつけていること自体に怒りを禁じ得ない」と憤り、入管の都合で、非正規滞在の外国人を送還することは許し難いとして、「撤回させないといけない」と強調した。