原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定に向け、茨城県常陸大宮市が文献調査の対象として経済産業省から申し入れを受けたことをめぐり、市民らが4日、経済産業省前で抗議行動を行った。
常陸大宮市は、茨城県北西部に位置する人口3万5000人の、農林業が盛んな自然豊かな町。経産省は申入れの理由を、常陸大宮市は地質、輸送などの面から候補になり得ると説明している。
常陸大宮市の鈴木定幸市長は申し入れのあった8月31日、市のホームページで、「国の抱える課題解決のために国策に貢献することの意義を少なからず感じるところです」とコメント。文献調査について前向きに検討していることを明らかにしている。
抗議行動に参加した反原発労働者行動実行委員会の瀧秀樹さんは、国が巨額の交付金を示して自治体に受け入れを促す手法について、「根本的な政策から間違っている」と批判。そのうえで、受け入れに賛成する市民と反対する市民の間で分断が生じる可能性を指摘し、「国や市長は、お金がもらえる面と、負の側面をすべて開示したうえで平場で議論すべきだ」と語った。
文献調査は、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を地中深くに処分することを定めた「最終処分法」に基づく3段階の調査の第1段階で、地質図や論文などの既存資料を収集・分析するもの。国が実施を申し入れるのは東京都小笠原村の南鳥島に続いて2例目で、常陸大宮市が受け入れれば、文献調査は5例目となる。