2026/11/04 - 11:26

遺族「なぜ証拠隠滅すると判断か」〜大川原冤罪事件、裁判官の判断を問う裁判

大川原化工機の冤罪事件で、保釈されないまま病死した同社元顧問の遺族が「裁判官らの判断は違法だ」として、国に賠償を求めた裁判の第2回口頭弁論が10月30日、東京地裁で開かれた。国側は「証拠隠滅のおそれがあった」などとして、賠償責任はないと反論した。

元顧問の相嶋静夫さんは2020年、軍事転用可能な機械を中国に輸出したとして逮捕された。東京地裁に8回保釈を求めたが、胃がんが判明後も、「証拠隠滅の恐れがある」などと退けられ、翌2021年2月に死亡した。その後、検察は起訴を取り消し、2025年6月には、警察と検察による捜査・起訴の違法性が国家賠償訴訟で認定されている。

遺族は、逮捕状や勾留状を認め、保釈請求を退けた裁判官37人の判断は違法であると主張。これに対し、国側は、当時の裁判官らについて「違法、不当な目的で裁判をしたわけではない」などとして、請求を退けるよう求めた。

遺族「何の証拠を隠滅すると判断したのか」

法廷では、相嶋さんの次男が意見陳述に立った。次男は、家宅捜索ですでに証拠が押収されていたうえ、父も捜査に協力していたと説明。機械の構造や性能は、関係者が口裏を合わせたところで変えられるものではないとして、「罪証隠滅のおそれ」を理由に逮捕・勾留が続いたことについて、「捜査機関の物語が優先された」と批判した。

また、孫をかわいがっていた父との思い出を語り、「父は普通の生活を取り戻せないまま亡くなり、高齢の母が残された。刑事事件は終わったが、家族にとって事件は終わっていない」と述べた。そのうえで、「裁判官は、進行性のがんを患った父が、誰に接触し、何の証拠を隠滅すると考えたのか。生命や健康への危険と、身体拘束を続ける必要性をどう判断したのか。具体的な理由を知りたい」と訴えた。

原告側は、「違法、不当な目的がないだけでは、違法性は否定されない」と反論。「証拠隠滅のおそれ」を認めた具体的な根拠を示すよう求めている。

期日後の記者会見で、次男は「なぜこうなったのか、説明してほしい」と改めて訴えた。次回の口頭弁論は来年2月24日。

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