同性カップルの結婚を認めない民法などの規定は憲法に違反すると訴えた集団訴訟で、札幌高裁は１４日、「婚姻の自由」を定める憲法２４条について憲法違反が、「法の下の平等」を定めた憲法１４条は憲法違反だとする初の判断を下した。また同性カップルの婚姻をめぐる訴訟では、高裁として初の違憲判断となる。
この日は東京地裁の２次訴訟判決もあり、戸籍上同性どうしのカップルが婚姻による法的利益を享受するための制度がない状況は、「違憲状態」にあると判断する一方、原告らの請求は棄却した。これで２０１９年以降に全国５ヵ所で提訴された同性婚集団訴訟は全ての地裁判決を終え、７つの地裁と高裁の判決での判断は、「違憲」が３件、「違憲状態」が３件、「合憲」が１件との結果となった。
札幌高裁の速報に歓声
最初に判決が出たのは、東京地裁。午前１０時半に「違憲状態」との判決が出されると、原告の山縣真矢さんは「（裁判所には）もう少し前に進めてほしかった」と残念さをにじませながらも、「違憲状態という判決を勝ち取っているのでこれから前に進めていければ」と抱負を語った。
札幌高裁の判断が出たのは午後３時。東京地裁判決の報告集会会場に「違憲」判断との速報が入ると、会場から驚きと歓声が上がった。東京弁護団代表の寺原真希子弁護士が札幌高裁判決文を読み上げ「完璧ですね」と評価すると、東京１次訴訟原告の大江千束さんは「やっていてよかった」と歓喜の声があげ、同じく原告の小野春さんは「みんなでここまで積み上げてきたということなので、みんなでおめでとうといいあいたい」と喜びを分かち合った。
