防衛装備品の輸出制限を撤廃し、殺傷能力のある武器の輸出を可能とする政府案に反対する緊急抗議が16日、首相官邸前で行われた。約170人の市民が参加した。集まった人は、ペンライトやプラカードを手に、「武器輸出やめろ!」と抗議の声を上げた。
日本政府はこれまで、日本が製造した防衛装備品が国際紛争を助長しないよう、防衛装備移転三原則の運用指針に基づき、輸出対象を救難、輸送、警戒監視、掃海の「5類型」に限定してきた。しかし政府は3月、この枠組みの見直しに向けた検討を進め、殺傷能力のある武器も輸出できるように方針を転換した。
目的として、米国など同盟国との協調や防衛産業の拡大を挙げている。また、これらの輸出には、国会の承認は不要としている。来週、閣議決定し、運用指針は国家安全保障会議で決定する見通し。
抗議に駆けつけた『安保関連法に反対するママの会・ちば』の谷口初江さんは、「武器を輸出することは、どこかの誰かの命が奪われることに、私たちが手を染めるということ」と政府を批判。「誰の命も大事。誰の子どもも殺させたくない」と訴えた。
また武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司さんは、「来週にも国家安全保障会議で決定されるおそれがある。国会の審議を経ず、とんでもない独裁的なやり方だ」と厳しく批判した。
平和国家から兵器も輸出する国へ
日本は平和憲法のもと、長年、紛争当事国への武器の輸出を禁じてきた。「武器輸出三原則」が唱えられ、1967年から約半世紀、武器の輸出は禁じられてきた。しかし、2014年、安倍政権下で方針を転換。「武器輸出三原則」から「防衛装備移転三原則」と衣替えし、戦闘目的ではない5つの非殺傷用途に限定して、輸出が認められるようになった。しかし、今回、5類型も撤廃・緩和され、殺傷能力のある武器の輸出も原則可能になる。