新型コロナウイルス
2021/09/28 - 16:13

市中感染ゼロの「グリーンゾーン化」目指せ〜研究者「コロナ対策」抜本的見直し提言

新型コロナウィルス感染症に関する解析などに取り組んできた数学や物理学の研究者有志が27日、政府の「コロナ対策」を抜本的に見直すよう求める緊急提言を発表した。

提言を取りまとめたのは、慶應大学商学部の濱岡豊教授など5人の研究者。オンライン上で記者会見を開き、感染者が完全に減っていない段階で「緊急事態宣言」を解除する政府のコロナ対策は、同じことの繰り返しで、かえって経済を疲弊させていると批判。検疫や水際対策の強化することで、「日常」を取り戻すことは可能だとして、感染者の減っている今こそ、「市中感染ゼロ」に向けて取り組むべきだと主張した。

具体的には、「市中感染ゼロ」の状態を「グリーンゾーン」と定義。第一段階では、行動制限などによって「実効再生産数」を0.7程度まで低減。その後も行動制限を継続し、徹底したPCR検査と隔離を行うことで、「市中感染ゼロ=グリーンゾーン」の達成は可能だと訴えた。

提言資料

神戸大学の牧野淳一郎教授は、「「ゼロコロナ」は不可能という声があるが、感染の拡大期と、感染者が少ない時期も、同じ対策をすれば同じ効果を生む。むしろ、感染者数が少ない時期の方が対応は楽」だとして、感染者が減少傾向にあり、ワクチン接種の効力が効いている「今が一番重要な時期。」だと強調した。

また日本政府は現在、経済を優先した「ウィズコロナ戦略」をとっているが、現在の対策は出口がなく、医療へも経済にも負荷が大きいと指摘。またワクチン接種だけでは感染者が減らないことは、イスラエルやシンガポールなどの経験でも自明だとして、ワクチン効果に依存した日本政府の対応を戒めた。

「日本グリーンゾーン化戦略」提言サイト
https://greenzoneproject2021.files.wordpress.com/

中国では「日常生活」が戻っている

会見には、中国で生活している上海交通大学の佐野雅己教授と中国科学院大学温州研究院の瀬戸亮平 教授も出席。台湾や中国などでは、すでに「市中感染ゼロ」を達成し、「日常生活」を取り戻していると説明。大規模なイベントの開催や地域間の移動に一定程度の制約があるものの、外食は自由になっており、公共交通以外ではほとんどマスクなしの生活を送っていると、自身の生活を紹介した。台湾や中国は昨年のGDPもプラスになっている。

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