小児甲状腺がん
2026/05/22 - 16:28

鈴木元氏が部会長再任〜甲状腺検査評価部会

東京電力福島第一原発事故後、福島県で実施されている甲状腺検査の評価を行う「県民健康調査」甲状腺検査評価部会の26回会合が22日、福島市で開かれた。昨年7月に委員の任期を終え、委員が改選されてから初の開催となり、鈴木元保内郷メディカルクリニック院長が再び部会長に再任された。鈴木氏は2017年11月30日に開催された第8回評価部会で、2代目の部会長に就任。以来、10年間にわたって部会長を務めている。初代は清水一雄日本医科大学内分泌外科大学院教授(当時)。

今回は、弘前大学の医師が交代したこともあり、過去の解析などについて説明。今後の検討内容を審議した。その結果、新たな疫学解析を行うことや事故時に乳幼児だった世代の累積発見率を注視するなどが決まった。

中リスク・高リスクは「過剰診断」になり得ない

会議では、福島県立医科大学の塩功貴が今年3月25日に公表した学術論文の内容について説明があり、その解析に内容に関して、活発に議論が繰り広げられた。論文タイトルは、「若年者甲状腺がんにおける再発リスク因子の検討」。2012年から2020年の間に福島医科大学病院で初回手術を受けた5~19歳の患者のうち、初回手術時にすでに肺転移などを来していた患者4人を含む7人を除外し、213名を解析した。

その結果、213名のうち17名(8.0%)に再発が認められ、若年であることが再発の最も強力な予測因子であり、特に15歳未満の患者の再発率は、16歳以上より有意に高かったという。甲状腺の片側だけを摘出する辺葉切除と全摘の間では、再発率に差はなかったとしいう。

中リスク・高リスクは「過剰診断」にはなり得ない

議論の過程で、甲状腺内の腺内播種が認められる割合は137人、64%に上るとして、福島県で見つかっているがんの腺内播種が多いのではないかといった声が上がった。論文によると、腺内播種がある患者の再発は16例(94.1%で、再発していない人(121例・61.7%)高かった。

同論文では、日本甲状腺外科学会(JAES)のガイドラインにリスク分類したところ、腫瘍径が4 cm以上か、甲状腺外またはリンパ節外への浸潤あり、または臨床的リンパ節転移3 cm、遠隔転移のいずれかが認められる甲状腺がんを高リスクと分類したところ、高リスクの患者は再発率が有意に高かった。

終了後の記者会見で、論文に基づき、日本甲状腺外科学会のガイドラインで、中リスクや高リスクと診断された甲状腺がんが、「過剰診断」である可能性があるかとの質問に対し、甲状腺の専門医はいずれも、「治療の必要ながんである」と表明。1センチ以下の超低リスクがんは、手術をせずに経過観察できるが、1センチ以上の低リスクがんは、まだ分かっていないと述べた。

配布資料
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b26.html

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