小児甲状腺がん
2022/12/01 - 22:55

「患者の声きいて」甲状腺がん支援団体が県に要望

東京電力福島第一原発事故当時18歳以下だった東北、関東、信越の16都県の甲状腺がん患者に、経済的な支援を行っている「3.11甲状腺がん子ども基金」が12月1日、福島県に対し、患者の声を聞くよう求める要望書を提出した。

「3.11甲状腺がん子ども基金」は2017年から活動しているNPO法人で、これまでに福島県内の甲状腺がん患者126人、福島県外の甲状腺がん患者64人に、甲状腺がんと診断された人に15万円、再発やアイソトープ治療を受けた人にさらに15万円療養費を支給してきた。

基金の理事・吉田由布子さんは、「甲状腺がん当事者は、「再発・転移」「妊娠・出産」の不安、メンタル面の不調、日々の疲れやすさから将来に向けての健康不安、治療費の心配、通院の大変さ、保険に入りにくいなど、さまざまな困難を抱えている」として、当社の要望を直接聞き取る機会を設け、支援を拡充するよう求める要望書を、県の担当者に手渡した。

今年8月、療養費を増額するとともにアンケート調査を実施し、194人の給付対象者のうち、86.6%にあたる168人が回答を寄せた。自治体や政府への要望を尋ねる項目については、「当事者と対談する機会を設けてほしい」「支援制度の検討に当事者を加えてほしい」「国も責任を認めて「手帳」を作り、健康不安への相談、対応窓口を明確にしてほしい」などの声は寄せられたという。

これに対し、県は要望書を受け取ったが、個別の団体に対して、対応はしないとしている。

集計外8人、独自に把握

アンケートでは手術の状況や再発状態などについても把握。福島県内の申請者における再手術の割合は、事故当時3−9歳の層で25%、10ー14歳で22%、15ー18歳で11%、事故当時、年齢が低いほど、再手術の割合が高いと指摘した。

福島県内申請者における再手術・RI治療の割合

事故当時年齢人数
(男:女)
再手術人数
(男:女)
RI治療人数
(男:女)
RI複数回人数
(男:女)
3-9歳24人
(14:10)
6人(25.0%)
(4:2)
6人(25.0%)
(5:1)
10-14歳54人
(23:31)
12人(22.2%)
(7:5)
7人(13.0%)
(4:3)
1人(1.8%)
(0:1)
15-18歳45人
(16:29)
5人(11.1%)
(3:2)
5人(11.1%)
(3:2)
1人(2.2%)
(0:1)
合計123人
(53:70)
23人(18.7%)
(13:10)
18人(14.6%)
(12:6)
2人(1.8%)
(0:2)

福島県外申請者における再手術・RI治療の割合

事故当時年齢人数
(男:女)

再手術人数
(男:女)
RI治療人数
(男:女)
RI複数回人数
(男:女)
3-9歳14人
(3:11)
3人(21.4%)
(1:2)
4人(30.8%)
(1:8)
2人(15.4%)
(1:1)
10-14歳18人
(5:13)
2人(11.1%)
(0:2)
9人(50.0%)
(5:1)
5人(27.8%)
(5:1)
15-18歳30人
(6:24)
4人(13.8%)
(1:3)
9人(31.0%)
(5:1)
3人(16.7%)
(0:3)
合計62人
(13:49)
9人(14.5%)
(2:7)
22人(35.5%)
(9:13)
10人(16.1%)
(3:7)
3.11甲状腺がん子ども基金公表資料より

また、「県民健康調査」検討委員会で公表されていない集計外の甲状腺がん患者について、今年8月の甲状腺検査④で、2018年12月までのがん登録で把握された甲状腺がん患者が43人いることを明らかにしたが、2019年以降の集計外にいて、311甲状腺がん子ども基金が把握した人数が8人いることを発表した。

3.11甲状腺がん子ども基金2022年報告書

https://www.311kikin.org/wp-311kikin/asset/images/pdf/questionnaire2022.pdf

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